オプション考察|輸出レンジフォワード=リスクリバーサルが直物市場に与える影響

皆さま、こんにちは! コインカレッジ編集部 です。

この記事では、本邦大企業を中心に人気を博しているオプション商品「輸出レンジフォワード(※リスクリバーサルの買い)」が直物市場に与えるインパクトについて考察いたします。

輸出レンジフォワードを締結した際のポジション

例として、インターバンク・オプションディーラーのあなたが、輸出企業のA社と期間1ヵ月の輸出レンジフォワード(100mio per)を締結したと仮定して下さい

あなたのポジションは以下の通りです。
Buy USDcall JPYput K=108.00(25delta)100mio 期間1ヵ月
Sell USDput JPYcall K=105.00(25delta)100mio 期間1ヵ月

①この際、あなたが約定時点で行うデルタヘッジの金額は、
USDJPYの売り50mioとなります(100mio×delta25%+100mio×delta25%)。

②A社は100mioのオプション取引を行ったのに、あなたのデルタヘッジの金額は50mio。
両者の差額(50mio)は一体どこに行ったのでしょうか?

③実は、差額の50mio分は潜在的な「ドル売り圧力」として市場に残ります

④オプションディーラーの約定時点のDelta(※分かり易くする為に最終日のDeltaで考察)は、

105円より下側
+50mio(ロング50mioなのでスポットが下がれば50mioをストップとして追加で売る必要性あり)

105円〜108円
SQ(約定時点で50mioを売っているので特に何もしなくて良い)

108円より上側
+50mio(ロング50mioなのでスポットが上がれば追加で50mio売る必要性あり)

つまりドル円が上がっても差額の50mio売り、ドル円が下がっても差額の50mio売りとなります

⑤最終日(行使期日)時点のDelta操作は、

105~108円の範囲内に留まった場合は、約定時点で売った50mioの買い戻し圧力が加わります。一方、105円を割ったり、108円を超えた場合は追加のドル円の売り50mioが発生します

まとめ(ポイント)

ポイントは以下の通りです。
輸出レンジフォワード(リスクリバーサルの買い)は直物相場に大きな影響を与えます(= オプションの想定元本と、当初デルタヘッジ金額の差額分が潜在的なドル売り圧力として相場の重石になる為)
リスクリバーサルの水準は「相場が抱えるリスクの大きさ」と言い換えることができます
リスクリバーサルの急拡大(ドルプット・円コールオーバーの拡大)は、ドル円急落の予兆となります

今回は既存のFXオプション市場を例に挙げて説明いたしましたが、これは仮想通貨オプション市場におけるマイニングファームのレンジフォワードにも当てはまりますのでご注意下さい!

=======免責事項=======
本記事は一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、仮想通貨の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨するものではありません。本記事は、信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、その正確性、適時性、適切性又は完全性を表明又は保証するものではありません。投資の最終判断は、お客様ご自身の責任のもとで行われます様よろしくお願い申し上げます。
CoinCollege∛編集部

CoinCollege∛編集部。インターバンク市場の第一線で活躍したオプションディーラーやストラテジスト、証券化ストラクチャラーなど金融プロフェッショナルで構成。メンバー全員が金融機関に在籍。

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