Mastercard、Visa、e-Bay、 StripeらがLibraプロジェクトからの撤退を表明

フェイスブックという巨大IT企業が既存金融システムに大きな転換期をもたらそうとしているLibraプロジェクトですが、週明け月曜日に同プロジェクトの正式参加者による署名が予定されている中、Paypalに続き、決済業者Mastercard, Visa, Stripe, Mercado Pagoおよび大手通販サイトe-Bay5社が金曜日に参加見送りの決定を発表しました。

ホワイトペーの公開当初より、各国の金融当局や政治家などから相次ぎ牽制の声が上がっていたLibraプロジェクト。Paypalが撤退表明をした直後の10/8に、まだ参加検討中であったMastercard, VisaおよびStripe宛に、米国の上院銀行議会の議員であるBrian Schatz氏及びSherrod Brown氏の2名が連名にて書簡(原文)を送付し、同社がLibraプロジェクトに関与する場合、Libra関連の送金活動のみならず、既存の送金活動についても当局の監視(精査)が強まるとの警告を発し参加を見送るよう圧力を強めていました。

各国の政界や金融当局からの継続的な圧力および様々な影響に配慮して、同5社は今回の見送る方針を固めたと見られています。

Visaの広報担当者は今回の見送りに関して、当局の要求対応を含むLibra協会の今後の動向を精査した上で最終的な判断を下す予定であるが、規制の下でブロックチェーンを活用した安全な送金システムの確立が、特にエマージング市場などにおいて、顧客の利便性向上に繋がると信じているとコメントし、同プロジェクトへの参加検討を今後も継続していくことを示唆しました。

しかし、上院議員らが送付した同書簡では、多くのユーザー数を抱えるフェイスブックが主導するプロジェクに、議会から①犯罪・テロ集団への資金供与(マネーロンダリング)、②既存金融システムの不安定化、③金融政策への干渉、④プロ投資家に限定されていた高リスク商品への一般投資家の流入などの問題が投げかけられているにも関わらず、Libraがプロジェクト参加者に重大なリスクを説明しないまま参加を促しているのではないかと指摘。

さらには、個人情報漏洩をはじめとした様々な問題を抱えていながら、リスクマネジメントが十分出来ていないフェイスブックの現状に言及した上で、昨年報告された児童性的虐待に関して、1,840万件中1,200万件(全体の約65%)もの児童性的虐待写真やビデオがFacebook Messengerを介してやり取りされているが、LibraによりMessenger上で暗号化されたメッセージに金銭価値の移動まで埋め込まれる世界が創り上げられてしまったらどんなに恐ろしいかと強い警戒感を示しました。

Libraが描くFintechのもたらす革新は、ユーザーの利便性を高め、新たなビジネスチャンスの創設に繋がるものである一方、犯罪への悪用などといった問題にどのような対策を打ち出すのか、多くの課題に直面しています。同プロジェクトへは、ウーバーを筆頭に引き続き多数の参加企業が見込まれていますが、月曜日に判明する正式参加者らの面々や、延期されるとの見立ても多い「2020年ローンチ」に向けたLibraプロジェクトの今後の動向に、各業界から注目が寄せられています。

satogram

仮想通貨メディアCoinCollege∛の編集長。規制動向及び業界動向を担当。国内外金融機関で金融商品のストラチャリング業務、セキュリタイゼーション業務、バイサイドリサーチ業務に従事。

satogramをフォローする
業界動向
CoinCollege∛
タイトルとURLをコピーしました