CBDC発行に向けた動きが新興国で活発化。BISが最新の中銀サーベイ調査結果を公表!

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の活用可能性を評価するためのグループを設立するとして、先日21日に日銀を含む6つの中央銀行と国際決済銀行(BIS)が声明文を出しておりますが、昨日、BISより各中央銀行によるCBDCの研究開発に関する取組状況を調査したサーベイ結果が公表され、各国(特に新興国)が昨年以上にCBDCに関する研究・実験等を促進している状況が明らかとなりました。

BISの調査と結果

今回のBISによる調査は昨年に続く2回目であり、質問項目は形式的な部分を除いては大要変更されておらず、次の3つに分類されています:①CBDCに対する現在の取組状況、②取組の動機、③CBDC発行確度

各国の取組状況については、回答国のうち8割(+昨年の7割から上昇)がCBDCに関して何かしらの調査研究等を実施しており、4割が概念的調査から概念実験に進展をみせ、1割が試験プロジェクトの開発に至っている状況とのことです。特に先進国よりも新興国(EMEs)がより強い動機をもってCBDCの開発を推進しており、前回の調査時から何かしらの進展があると回答しています。

CBDCの発行については、全体を通して7割が依然計画がないものの、発行計画のある少数派の中銀は、世界人口の5分の1を率いており、向こう数年以内(3年以内が10%、6年以内が20%)に発行見通しがあると回答しています。もっとも、先進国はすべて、短中期的にみて、CBDCの発行は”確度が低い”(unlikely)、または”非常に確度が低い”(very unkikely)との回答であったため、自国通貨の資本流出に対する危機感度合いが反映された結果とも言えます。

出典:BIS Paper No.107 January 2020

暗号資産に関する質問に対しては、ステーブルコインは潜在的に広範に普及する可能性があるものの、ビットコイン等の非中央集権型の暗号資産については、各国とも2018年の調査時同様、依然ニッチな市場規模であり普及は限定的との回答でした。但し、昨年との違いとして、深刻な内紛が生じている一カ国においては、国内で暗号資産が顕著に普及しており、クロスボーダー取引に活用されているとの回答があった点特筆されています。

今回の調査は2019年後半に実施され、昨年の63カ国に対し、今回は66カ国(21の先進国と45の新興国)の中央銀行から回答が寄せられております。

結び

今回のサーベイでも示されたように、中国を筆頭に中銀デジタル通貨発行の波はすぐそこまで押し寄せている状況と言えます。しかしその原動力は、他の有識者からも指摘が挙がっているように、自国の通貨主権を守るものであると考えられ、ビットコイン等の非中央集権型の暗号資産や、Libraに代表されるステーブルコインへの抵抗にも見受けられます。暗号資産に対しては、過度な規制でイノベーションを阻害することなく、共存できる枠組みが検討され、利用者の利便性向上に繋がる将来に期待したいです。

ワイン丸

外資系金融機関のファンドマネジャー・バイサイドリサーチ出身。社債投資・株式投資・為替運用・不動産投資・証券化商品投資を経験。英語・中国語・日本語のトリリンガル。海外情報担当。

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