「収益認識に関する会計基準(案)」暗号資産に影響しないことを明確化

企業会計基準委員会(ASBJ)は本日、収益認識に関する会計基準(案)で日本公認会計士協会からコメントが寄せられた(以下の前回記事を参照)資金決済法における仮想通貨が、本公開草案の適用範囲に含まれるか否かの明確化」に対する対応方針を公表しました。

寄せられたコメント

資金決済法における仮想通貨の会計処理等については、2018年3月付の実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」が公表(実務対応報告のリンク)されています。

同報告の第33項では、既存の会計基準との関係について、「仮想通貨については、直接的に参照可能な既存の会計基準は存在しないことから、本実務対応報告においては、仮想通貨に関する会計処理について既存の会計基準を適用せず、仮想通貨独自のものとして新たに会計処理を定めている。」ことが示されています。

しかし、同報告は、資金決済法に規定する仮想通貨(ただし、自己(自己の関係会社を含む。)の発行した資金決済法に規定する仮想通貨を除く。) を対象としており、仮想通貨利用者が保有する仮想通貨の会計処理等について定めたもの、例えば、企業が顧客に仮想通貨を売却した場合、当該対応報告に基づく処理を行うべきか、今回の企業会計基準改正案が適用されるのか明確ではないとの指摘がありました。

対応方針

これに対し事務局は、以下の通り、公開草案の適用範囲からは仮想通貨を除外する方針を示し、さらに改正金融商品取引法を受け、基準開発の要否を含めた議論を行なっていることを報告しました。

仮想通貨に関連して、2019 年に資金決済法と金融商品取引法がそれぞれ改正されている。
改正資金決済法は、「仮想通貨」を「暗号資産」に名称を変更し、改正金融商品取引法は、「電子記録移転権利」を定義したうえで、電子記録移転権利は暗号資産に該当しないこととしている。これらの法改正を受け、企業会計基準委員会では現在、基準開発の要否を含めた議論を行っている。

以上を踏まえ、暗号資産及び電子記録移転権利に関連する取引については、本公開草案の範囲から除外することが適切であると考えられる。ここで、暗号資産及び電子記録移転権利に関連する取引が実務対応報告第 38 号の範囲に含まれる場合にはこれに従って会計処理をすることとなり、範囲に含まれない場合には、関連する会計基準等の定めが明らかではない場合として、企業が会計方針を定めることになると考えられる。

出典:ASBJ(https://www.asb.or.jp/jp/project/proceedings/y2020/2020-0212.html

(参考・抜粋)会計基準改正案については、赤字の形で修正される予定となっています。

Ⅰ.範 囲
3. 本会計基準は、次の(1)から(7)を除き、顧客との契約から生じる収益に関する会計処理及び開示に適用される。
(1) 企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」(以下「金融商品会計基準」という。)の範囲に含まれる金融商品に係る取引
(2) 企業会計基準第 13 号「リース取引に関する会計基準」(以下「リース会計基準」という。)の範囲に含まれるリース取引
(3) 保険法(平成 20 年法律第 56 号)における定義を満たす保険契約
(4) 顧客又は潜在的な顧客への販売を容易にするために行われる同業他社との商品又は製品の交換取引(例えば、2 つの企業の間で、異なる場所における顧客からの需要を適時に満たすために商品又は製品を交換する契約)
(5) 金融商品の組成又は取得に際して受け取る手数料
(6) 日本公認会計士協会 会計制度委員会報告第 15 号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針」(以下「不動産流動化実務指針」
という。)の対象となる不動産(不動産信託受益権を含む。)の譲渡
(7) 資金決済に関する法律(平成 21 年法律第 59 号)における定義を満たす暗号資産及び金融商品取引法(昭和 23 年法律第 25 号)における定義を満たす電子記録移転権利に関連する取引

4. 顧客との契約の一部が前項(1)から(7)に該当する場合には、前項(1)から(7)に適用される方法で処理する額を除いた取引価格について、本会計基準を適用する。

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仮想通貨メディアCoinCollege∛の編集長。規制動向及び業界動向を担当。国内外金融機関で金融商品のストラチャリング業務、セキュリタイゼーション業務、バイサイドリサーチ業務に従事。

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