【連載】ビットコインとナカモト・サトシ

Vol.1 ビットコインとは

ビットコインを原論文で読もう

「ビットコインとは」と検索して様々なメディア記事に目を通されたあとにでも、是非原論文に立ち返っていただきたいと思います。2009年に初めて公表された「Bitcoin:A Peer-to-Peer Electronic Cash System」と題されたSatoshi Nakamotoの論文(ホワイトペーパー)はたった9ページで構成されています。

https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

論文は読んでみたいけど英語はちょっと!という方には2019年1月に論文公開から10周年を記念してBitcoin.orgにて和訳版を含む19ヶ国語が公開されています。

Bitcoin.orgはもともと、Bitcoinの最初の開発者であるSatoshi NakamotoとMartti Malmiによって登録されていたため、ビットコインの公式サイトとされています。但し、現在は独立したオープンソースプロジェクトで運用しており、ビットコインが非中央集権の象徴であるように、公式サイトも存在しないため、このサイトは公式サイトではないとのディスクレーマーが掲載されています。

ビットコイン論文和訳版 出典:https://bitcoin.org/

論文の和訳については、実はこれより以前に、Bitcoin.co.jpというサイトでPDFが公表されていました。そこでは未だ正体不明であるSATOSHI NAKAMOTOの漢字が「中本 哲史」と翻訳されていました。本当にこの漢字であっているのか、単なるあて字なのか真実はベールに包まれたままです。

現在Bitcoin.co.jpに行くと、Bitcoin.jpにリダイレクトされます。サイトの目的や運営元に関する説明は見当たりませんが、ビットコイン論文を漫画に仕立てたコーナーがあり、初心者にも分かりやすい内容となっています。

Satoshi Nakamoto / サトシ・ナカモトの正体とは

仮想通貨好きな日本人にとって、ビットコイン開発者が日本人であることを誇らしく感じる人も多いのではないかと思います。しかし、未だベールに包まれているサトシ・ナカモトは日本人であるかどうかすら判明しておりませんが、この人かも?とメディアに取り上げられたことのある人物は以下の方々です。

1人目:Craig Steven Wright / クレイグ・スティーブン・ライト氏
ビットコインキャッシュ(SV)派閥の主導者であることでも有名なクレイグ氏。オーストラリア人で、我こそがサトシ・ナカモトと自称したことがきっかけでした。

2人目:Hal Finney / ハル・フィニー氏 (故人)
カルフォルニア工科大学出身で、サトシ・ナカモトから最初にビットコインを受け取る取引を行ったために推定された人物です。ALSを患っていたため58歳という若さで亡くなっています。本人はサトシ・ナカモトではないとしています。

3人目:Dorian Nakamoto / ドリアン・ナカモト氏
Newsweekの誤報により、サトシ・ナカモトとしてメディアに取り上げられた人物です。偶然にもHal Finneyと同じ町に住んでいた元エンジニアであったために取り沙汰されました。しかし、実際には脳卒中に倒れ10年もの間エンジニアから離職しており、インタビューの際には、bitcoinのことをbitcomと発音していたなど、サトシ・ナカモトとは全く無関係の人物でした。

4人目:Nick Szabo / ニック・サボ氏
スマートコントラクトの名称と概念を創り出した人物として知られています。本人は幾度に渡り否定していますが、名門ワシントン大学のコンピューターサイエンスを卒業し、1998年にBitGold(ビットゴールド)という、ビットコイン構想の大元になったとされるアーキテクチャーを考案した(ビットゴールドは実現していません)ことや、暗号通貨に関する研究を行っていたこと、サトシ・ナカモトと同じイニシャルを持つことから、もっともサトシ・ナカモトの人物像に相応しい人物であると言えるでしょう。

5人目:Amaury Sechet / アモーリ・サァシェイ氏
ビットコインキャッシュ(ABC)のデベロッパーです。2019年2月に突如自身がサトシ・ナカモトであるとツイートしました。しかしそれは、対立していたビットコインキャッシュ(SV)を主導するクレイグ氏のようなスキャムのやり口を真似たとして、サトシ・ナカモトではありませんでした。

2018年には#Findsatoshi プロジェクトも発動しています。ロシアのクラウドファンディングサイトで資金を集め日本・NY・ロンドン・ロシアで調査する人材を集めサトシ・ナカモトを見つけようというプロジェクトです。

この主導者はエストニア人であるGerman Neff氏。Findsatoshiプロジェクトについて、彼は単なる好奇心でサトシ・ナカモトを探している訳ではないと主張し、以下のコメントを掲載しています。2019年2月時点で、1500万ルーブル(約2500万円)の設定額に対し、83%に当たる1252万(約2100万円)の資金を集めています。

引用

//German Neff氏のコメントの一部抜粋し抄訳//

サトシ・ナカモトは発見されなければなりません。現在の仮想通貨市場は脆弱なバランスにあり、暗号通貨のさらなる発展のためには、誰がそして何の為にCRYPTOを作ったのか、その理由を知る必要があります。

世界に非中央集権通貨を与えたのは、独立通貨の熱狂的な支持者なのか、それとも科学的或いは純粋に利己的な目的を追求する団体だったのか。もしくは、新しい方向性を指揮する為に大企業か、IT巨人の発明だったのか。 はたまた、すべての取引を管理する目的で政府が発明したものなのか?

様々な仮説が立てられていますが、一体誰がビットコインという通貨の背後にいるのか未だ明らかにされていません。

参考サイト:http://boomstarter.ru/projects/findsatoshi/mezhdunarodnyy_rozysk_sozdatelya_bitkoin_-_satoshi_nakamoto

仮想通貨業界に長く身を置く人は、もはや論文公開から10年も経過していることもあり、ベールに包まれたままで良いと思っている人も多く、今更名乗り出されても胡散臭いし、何か影響があるとは思えないという意見もありますが、まだまだサトシ・ナカモト探しの旅は有志によって続けられています。

さて、次回はビットコインとブロックチェーンの関係についてお話ししたいと思います。

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