ソニーのL2ブロックチェーン「Soneium」がステーブルコイン「USDC」を導入

国内外で注目を集めるステーブルコイン市場

ステーブルコイン市場が急速に拡大する中、米ドルに連動するステーブルコイン「USDコイン(USDC)」の発行する米サークル(Circle)は、2024年9月16日に大きな発表を行った。

ソニーグループと、渡辺創太氏が率いるスターテイル・ラボとの合弁会社である「Sony Block Solutions Lab」との提携により、同社が新たに開発したイーサリアムのレイヤー2(L2)ブロックチェーン「Soneium」(ソニューム)にUSDCが導入されることが決定した。

SoneiumへのUSDC導入の仕組み

具体的には、USDCのネイティブ版がイーサリアム上でロックされ、その後、L2であるSoneiumにブリッジされる形式でUSDC(Bridged USDC)が提供される。

L2とは、イーサリアムなどの既存のブロックチェーンの上に構築される別のネットワークで、トランザクションの処理効率を改善し、ネットワークのスケーラビリティを向上させる技術だ。これにより、処理速度が大幅に向上し、ガス代(取引手数料)も低減されるため、より多くのユーザーが低コストで高速な取引を行えることが期待されている。


エンタメ分野でのブロックチェーン活用
Soneiumは、ソニーを中心とするエンタメ業界の知的財産(IP)を活用し、ゲーム、音楽、アニメ、映画といったコンテンツの分散型取引を可能にする。この動きにより、USDCはソニーのブロックチェーン上での取引決済手段として広く活用される見込みだ。

ソニーの知的財産とブロックチェーン技術の親和性

ソニーは、かねてより自社が保有するIPを活用し、ブロックチェーン技術を用いたコンテンツ流通の準備を進めてきた。2022年8月には、トークンを用いて異なるゲーム間での資産交換を可能にするコンセプトの特許を出願している。今後、Soneiumがこの技術基盤として大きな役割を果たすことが期待される。

この技術により、ゲーム内のデジタルアイテムなどの所有権が明確化され、二次流通市場の形成や、新たな収益機会の創出が見込まれる


ステーブルコインのUSDC、日本市場への展開も視野

米サークルは、SBIホールディングスとの業務提携を通じて、日本市場でのUSDCの流通も検討している。国産ステーブルコインの発行が待たれる中、USDCがグローバルで勢いを増しており、今後、日本市場においてもその影響力が拡大するか注目されている。


今後の展望

これまでのデジタルコンテンツの消費から、所有や取引を通じた新たな体験が提供されようとしている。今回の発表により、エンタメ業界の新たな収益モデルの形成と金融テクノロジーの融合が促進され、これまでにないユーザー体験が実現する時代が到来しつつあると言える。

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