LedgerX Market Commentary(8月号)の概要
米国の仮想通貨(暗号資産)オプション取引所 LedgerX社より、9月11日付けでLedgerX Market Commentary(8月号)が発表されました。
同レポートによると、同社は、8月のBTC相場の膠着にも関わらず、契約数・出来高の双方において、過去最高記録を更新したようです。
LedgerX posted another strong month in light of a broader market slowdown in August. Overall BTC/USD spot market volume was down ~20% MoM in August while LedgerX matched record high contracts/notional traded and cleared.
出所:LedgerX Market Commentary
また、目立ったオプション取引の一例として、下記を挙げております。

デルタヘッジを行わないと仮定すれば、当該Low-Delta(=到達確率の低い)オプションの売り手は、9/27のカットオフの時点で15000ドルを超えていなければ、43,500ドル(500BTC×87ドル)のオプションプレミアムを受け取ることが出来ます。
Record trade on August 26: 500 contracts of the September 2019, $15,000 strike call options traded at $87.00 per contract. The seller collected $43.5k in premium at roughly a 70% implied volatility. This trade implies a roughly 5% likelihood that bitcoin is above $15k by the end of September.
出所:LedgerX Market Commentary
当該オプションに関する筆者の考察
2019年9月27日に行使期日を迎える当該オプションは、Bakktローンチ日(9月23日)を含むGood Dateオプションとなります。現在のスポット水準が10000ドル近辺であることを考慮すれば、残り2週間で15000ドル超えの可能性は極めて低いように感じますが、何が起こるか分からないのがビットコイン相場ですので注意が必要でしょう。
万が一、9/27に向かって15000ドル近辺まで上昇した場合、当初のプライスアクションは、オプション買い手による「利食い」が先行し、相場を止める方向(この場合、15000ドル近辺での売り圧力)に力が働きますが、
15000ドルを上抜けすれば、今度はオプション売り手によるロスカット(この場合、15000ドルより上での買い圧力)が発動しますので、相場を上方向に加速させることに繫がります。
9/27に向けて、オプション絡みのデルタフローに注意が必要です。