昨日のビットコイン相場は一時9600ドル付近まで上昇しておりましたが、CME先物市場で見られた1000ドル超のフラッシュクラッシュ(添付ピクチャ後参照)に連れる形で他市場でも9200ドル割れへと急落しました。

CMEグループは先般、来年第1四半期頃を目標にBTCオプション取引のサービスローンチ(10/31付け記事『米CMEが仮想通貨オプション取引の詳細を公表!2020年第1四半期にローンチ予定』をご参照)を目指すと発表しておりましたが、今回のようなプライスアクションを見る限り、向こう数ヶ月で十分なマーケットメイカーを確保できる否か、疑問が残ります(オプションのマーケットメイカーはこうした他市場との極端な乖離を嫌がる=オプション売りサイドのマーケットメイクを躊躇せざるを得ない)。
尚、昨日は金融庁より「仮想通貨投信」禁止の方向性が示されておりますので、併せてこちらの記事もご参照下さいませ。
オプション市場のレビュー
ビットコイン相場がレンジ内ながらも乱高下したことで、ボラティリティは全体的に底打ちしました。但し積極的に買い上げる動きは見られず、引き続きセータ負担に苦しんでいるオプションロング勢が多いことを示唆しております。ボラティリティカーブは引き続き順カーブ。期近(ガンマ)が最も安く、期先(ベガ)が最も高い状態です。目先のガンマ余剰感(動きづらい)+将来に対する上昇期待を示唆しております。

本日の注目ポイント
昨日はスポットが乱高下しましたが、上目線が強かった分、「デルタヘッジ=9500-9600ドルゾーンでのBTC先物売り」が出来なかったプレイヤーが多かったように感じます(セータ負担が大きくなると、全額回収したいとの焦りからコンスタントなデルタヘッジ=買い足操作が出来なくなる)。
行使期日まで残り2日と10時間、今日から明日にかけては、もう一段の「オプション投げ(短期オプションの売却)」に注意が必要でしょう(オプションが投げられた方向に相場が動き易くなる)。尚、リサーチ会社skew社が提供するDeribitのBuy/Sell Flowを見ると、現時点では「SELL-CALL」が多いことが確認されます。

尚、期近物ボラティリティで逆算した向こう24時間の予想レンジは、対円が「99.2万円〜105.4万円」、対ドルが「9090ドル〜9660ドル」です。
それでは、本日も宜しくお願いします!