ビットコイン相場は、対ドル・対円共に「方向感に欠ける値動き」が続いております。①中国政府によるマイニング産業の「淘汰リスト」からの削除や、②香港規制当局による取引所ライセンスルール化など、「BTC買い」に繋がり易い材料が複数見られたものの、反応は限定的となりました。引けにかけてじりじり値を下げるなど、方向感を見出し辛い時間帯が継続中です。

オプション市場のレビュー
ビットコイン相場が膠着する中、インプライドボラティリティは冴えない動き(安値圏での横ばい)が続いております。期近物は60%を下回る水準で取引されるなど、ボラティリティカーブは綺麗な順カーブを描いております(期近のIVが低くて、期先のIVが高い状態)。また、リスクリバーサルは短期物も中長期物もBTCコールオーバーを保っております。つまり、「①目先は動かないが、②将来は動きそう、③動く際の方向はビットコインの上昇方向」との相場観をオプション市場が織り込んでいると言うこともできます。

本日の注目ポイント
スポットの膠着商状を受けてオプションロング勢の嘆きの声が聞こえてきます。リサーチ会社skew社が提供するDeribitのBuy-Sell一覧からも、オプションの売り(全体の61%)が優勢であることが分かります(特に11/8行使期日のオプションの売却が目立ちましたので、期日までに動くことが絶望的と考えて、オプションを投げる動きが強まっていると判断できます。

但し、ビットコインの難易度調整は11/8の日本時間朝方に予定されており、11/8のオプションカットの数時間前となります。難易度調整後に相場が動意づく可能性もあり、個人的には、ここからのオプション売却にはやや慎重なスタンスを取っております(オプションがバーゲンセールとなるようであれば、bidサイドのマーケットメイクでガンマを拾う予定です)。
また、今日から明日にかけて(11/7-11/8)は、リップルの年に一度の大イベント「SWELL」も開催されますので、リップル(XRP)を中心に仮想通貨市場が動意づく可能性もあり、ボラティリティの復調に期待が持てます。
尚、期近物ボラティリティで逆算した向こう24時間の予想レンジは、対円が「98.3万円〜104.6万円」、対ドルが「9022ドル〜9598ドル」です。
それでは、本日も宜しくお願いします!