ビットコイン相場(対ドル)は、11/11(月)早朝に一時9150ドル近辺まで急伸するも、その15時間後にまさかの8590ドルを記録するなど、値動きの荒さが目立つようになりつつあります。添付チャートの通り、髭を無視したローソク足のボディ部分だけを見ても、ここ数日間は「値幅」が十分出ていることが確認できます。①swell閉幕に伴う材料出尽くし感や、②ハッシュレートの低下基調(その後の難易度易化)、③ダウンサイドのガンマの脆さに加えて、④中国ファンダメンタルズへの関心度合いの剥落(何度も何度も同じようなヘッドラインが出てくるのでサプライズ感が薄れ市場が慣れてしまった)が、ビットコイン下落の背景と考えられます。

オプション市場のレビュー
ビットコイン相場の「値幅の拡大」とは裏腹に、インプライドボラティリティは半年ぶり低水準へと低下しております(足元では期間30日間のインプライドボラティリティ指数LXVXが53.65%まで低下)。
背景には、①終値ベースだとレンジを脱し切れていないこと、②リスクリバーサルが引き続き上を向いている為、スマイルカーブ上、スポット下落→ボラ低下に繋がり易いこと、③10/25〜10-26の暴騰時の値動きを異常値としてヒスボラ計算から除外調整していること(当該2日間を期間30日の集計から外して理論値を算出していること)などが挙げられます。
ボラティリティカーブは引き続き典型的な順カーブを描いております(期近のIVが低くて、期先のIVが高い状態)。また、リスクリバーサルについても、短期から中長期まで、BTCコールオーバーの状態を維持しています(中長期物の方がよりBTCコールオーバーの度合いが深い)。つまり、①目先はレンジ内での相場が続くが、②将来は大きく動きそう、③動く際の方向はビットコインの上昇方向との相場観をオプション市場が織り込んでいると言うことができそうです。

本日の注目ポイント
ビットコイン相場は、終値ベースで見ると大した動きではありませんが、日中の動きは極めて大きく、オプションロング勢は上手くデルタヘッジをしなければ収益を残せませんし、オプションショート勢は常にヒヤヒヤする精神衛生上良くない状態が続いています。
リサーチ会社skew社が提供するDeribitのBuy-Sell一覧を見ても、昨日はプット売りが目立った一方、本日はコール売りが目立つなど、オプション勢が直物相場に振り回されている様子が伺えます。
言い換えると、スポットが上がると思って、保有するプットを投げた途端に、スポットが急落するし、スポットが下がると思って、保有するコールを投げた途端に、スポットが急伸する嫌な動きが続いていることを意味しております。
引き続き、ビットコインのオプションフロー(BUY-SELL)に注目が集まります。

尚、LXVX指数(53.65% @8722USD)で逆算した向こう24時間の予想レンジは、対円が「92.4万円〜97.7万円」、対ドルが「8477ドル〜8967ドル」です。
それでは、本日も宜しくお願いします!