ビットコイン相場(対ドル)は、方向感に欠ける値動きが続いております。昨日も8750ドルを中心に上下しつつも(=ハイレバ勢のストップを付けに行きつつも)方向感を見出すには至りませんでした。
①SWELL閉幕に伴う材料出尽くし感や、②マイナーによる潜在的な売り圧力(難易度易化後にハッシュレートが幾分持ち直し)、③中国ファンダメンタルズへの関心度合いの剥落が、ビットコインの上値を抑制していると考えられます。一方、ダウンサイドでは、④中長期目線でのBTC買い勢力や、⑤一目均衡表雲下限及びフィボナッチ61.8%押しをバックにした短期押し目買い勢力が下値を支える構図です。

オプション市場のレビュー
米LedgerX社が算出する期間30日間のインプライドボラティリティ指数「LXVX」は引き続き半年ぶり低水準(53%台)での推移を続けております。
インプライドボラティリティ(市場の予想変動率)低下の背景には、①BTC現物価格がレンジ色を強めていること、②リスクリバーサルが引き続き上方向(=BTCコール人気の状態)を向いていること(=スマイルカーブ上、スポット下落→ボラ低下に繋がり易い)に加えて、③10/25〜10-26の暴騰時の値動きを異常値としてヒスボラ計算から除外調整しているオプションプレイヤーが多いことが挙げられます。
実際、現在の1monthヒストリカルボラが73.1%であるのに対して、1monthインプライドボラは53.6%と、ヒスボラを大きく下回っている状態です(インプライドボラが割安な状態)。
但し、当該2日間(10/25〜10/26の値動き)を除外した、調整後1monthヒスボラは37%近辺まで低下しますので、現在のインプライドボラの方が割高となり、イメージ通りの状態となります(=BTCUSDオプションの場合、大体ヒスボラ+10%〜20%くらいの所にインプライドボラが値付けされるイメージ)。
以上に鑑みると、余程のサプライズが見られない限り、インプライドボラティリティは今後も低下基調を辿ると予想されます。従って、ベガロングポジションはやや注意が必要と言えそうです。

本日の注目ポイント
ビットコイン相場は、ガンマロング殺しの状態(=オプション保有者にガンマディールの機会を与えず、タイムディケイの支払いのみを迫る状態)が続いています。カットオフ(11/15の東京時間17時)まで残り3日(今日を含めて)となりましたので、そろそろオプションを投げる(=タイムディケイに耐えられず保有しているオプションを売却する)動きが広がる可能性があります。
オプションが売り込まれた(オプション保有者がロスカットした)方向にBTC現物価格が吸い寄せられる可能性もあり、本日も昨日同様、skew社が提供するDeribitのBuy-Sell動向に注目が集まりそうです(現時点では特段動きなし)。

尚、LXVX指数(53.61% @8766USD)で逆算した向こう24時間の予想レンジは、対円が「92.5万円〜97.8万円」、対ドルが「8520ドル〜9012ドル」です。具体的な計算方法については下記の記事をご参照下さい!
それでは、本日も宜しくお願いします!