ビットコイン相場(対ドル)は、ここ最近の「8350ドル〜8850ドル」レンジを下方ブレイクし、本日日本時間朝方(BFメンテナンス明けの午前4時頃)に一時8015ドル(10/15の習近平サプライズ以来の安値)まで急落しました。

急落の背景としては、①CME先物のネットショートのヒストリカルハイ更新、②新規材料難に伴うマイニング勢による潜在的な売り圧力(11/21の次回難易度調整まで)、③200日EMAやフィボナッチ61.8%を割れたことに伴うテクニカル的な見切り売り、④短期オプションの需給変化(リスクリバーサルにおけるBTCプットの急拡大=個人投資家やマイナーによるリスクリバーサルの取り組みはMMのデルタヘッジの売りを通じてBTC相場を押し下げる効果)など挙げられます
オプション市場のレビュー
BTC相場が動意付いたことを受けて、米LedgerX社が算出する期間30日間のインプライドボラティリティ指数「LXVX」は、60%付近まで上昇しました。ダウンサイドのヘッジニーズ(含むスペキュレーション)が高まっていることが背景です。具体的には、BTCプット単体の買いや、ネットベガロングのリスクリバーサル買い(デルタの厚いプットを買いつつ、デルタの薄いBTCコールを売る組み合わせ)が散見されました。

本日の注目ポイント
各テナー毎のリスクリバーサルが歪(いびつ)な形となっております。短期物は強烈にダウンサイドに傾斜がかかっているのに対し、中長期物は強烈にトップサイドに傾斜がかかっております(=オプション勢が短期的な急落と中長期的な急上昇を織り込んでいることを示唆)。
背景には、個人投資家(短期筋)によるスペキュレーション目的の裸プット買いに加えて、昨年同様、マイニング勢による年内のマイニング玉ヘッジ(リスクリバーサル=輸出レンジフォワード=BTCプット買い+BTCコール売り)の動きが出てきている可能性が考えられます。
マイニング勢によるリスクリバーサル(輸出レンジフォワード)の取り組みは、①MMによる約定時点でのデルタヘッジのBTC売りと、②その後の潜在的なデルタのBTC売り圧力(下がった際のロスカットとしてのBTC売りと、上がった際のBTCの戻り売り)を通じて、BTC相場を押し下げる効果をもたらします。年末に向けて、BTC相場がもう一段下落するリスクに注意が必要でしょう。
尚、本件については、下記の記事が参考になります!
LXVX指数(58.75% @8192 USD)で逆算した向こう24時間の予想レンジは、
対ドルが「7940ドル〜8444ドル」、
対円が「86.2万円〜91.7万円」です。
本日17:00はLTC/USDTのオプションカットオフ(BinanceJEX)も控えております。
今週のカットオフ・スケジュールはこちら!
それでは、本日も宜しくお願いします!