CFTCポジション分析「ファンドのショート縮小 vs アセマネのショート拡大」

ビットコインのCME先物ポジション

米商品先物取引委員会(CFTC)は11/22(金)、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の11/19(火)時点のビットコイン先物「未決済建玉」を発表しました。投機筋(レバレッジファンド)の買い持ち(ロング)と売り持ち(ショート)の差を表すネットポジション(添付チャートの黄色線)は、4,275 BTCの売り持ち超過(ネットショート)となり、ヒストリカルハイ(過去最高水準のネットショート5,655 BTC)を記録した先週から大幅にネットショートを縮小させる結果となりました

内訳としては、ロングの735 BTC増加ショートの645 BTC縮小となります。11/21〜11/22にかけてのBTC暴落を示唆する結果とはなりませんでした(むしろ、最悪のタイミングで買い戻している可能性が高いと言えます)。投機筋の皆さんがショートを買い戻したことで市場のポジションが軽くなり、その隙をついて、オプション市場のショートガンマも相まって、BTC価格が急落したと言えなくなも無いですね

本統計は、火曜日時点のポジションが金曜日に公表される為、3日間のタイムラグが生じます。従って、最新のポジション動向を表している訳では無い点に留意が必要です

出所:CFTCより作成

一方、今回興味深かった点は、アセットマネジャー項目のBTC先物ポジションです。レバレッジファンドのポジションと比較すると小さいですが、アセットマネジャーのBTCネットショートが本年2月以来の水準へ膨らんだことは注目に値します(1,125 BTCのネットショート)。アセットマネジャー勢は絶妙のタイミングでショートメイクした事となります🌸

出所:CFTCより作成

ビットコインのCME先物ボリューム

ビットコインのCME先物ボリュームは、2019年5月をピークに減少基調に転じております。先月(10月)は本年3月以来の低水準となり、今月(11月)に関しては、このままのペースでいくと、先月(10月)の水準も割り込む見通しです(棒グラフの2019年11月の数字は11月21日までの数字を月ベースに換算調整したもの)。

出所:CMEより作成

CMEはオプション取引を2020年1月13日からスタート

こうした先物市場の「低商い」の打開策の一つとして、CMEグループは2020年1月13日よりオプションサービスを開始することを発表しました

オプション取引の開始はデルタヘッジ機会の創出を通じて当該オプションの原資産である先物取引のボリュームを急増させる効果があるからです。ライバル会社のBakktも同様の効果を企図して2019年12月9日よりオプション取引を開始する旨発表しました。Bakktのサービスローンチまで残り15日、CMEのサービスローンチまで残り1ヶ月半。先物市場の動向から目が離せなくなりそうです。

CMEオプションについては、CoinCollege編集部の下記記事をご参照下さいね🌸

今週のまとめ!

①レバレッジファンド勢のポジションはネットショートが急縮小(最悪のタイミングでショートをクローズした可能性大。ショートクローズ後にBTC価格が暴落)

②アセットマネジャー勢のポジションはネットショートが急拡大(最高のタイミングでショートポジションを造成した可能性大。ショートを作った直後にBTC価格が暴落)

③ビットコインCME先物市場の出来高は減少トレンド継続(市場参加者の欠如)

④その打開策としてCMEグループはオプション取引のサービスローンチを発表(2020年1月13日より)

今週もありがとうございました!来週もどうぞ宜しくお願い致します🌼

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本記事は一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産を含む金融商品の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨するものではありません。本記事は、信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、その正確性、適時性、適切性又は完全性を表明又は保証するものではありません。投資の最終判断は、お客様ご自身の責任のもとで行われます様よろしくお願い申し上げます。
CoinCollege∛編集部

CoinCollege∛編集部はインターバンク市場で活躍したオプションディーラーやフォワードディーラー、エコノミストやストラテジスト、有価証券バイサイドトレーダーなど複数名の有志で構成されたリサーチ&トレーディングチーム。

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