昨日のビットコイン相場(対ドル)は「韓国の仮想通貨取引所Upbitのハッキング事件(34.2万ETH=約58億円)」を契機に一時6850ドル近辺まで下げ幅を広げるも、ボリンジャーバンド下限で下げ渋ると、その後はショートカバー主導で7678ドルまで急伸する荒々しい値動きとなりました。
前日の時点で既にバンドウォーク(ボリンジャーバンド下限に沿って下落を続けるオシレータ系インジケータが機能し辛い相場環境)が解消されておりましたので、昨日の下落時は確りボリンジャーバンド下限がオシレータ系シグナルとして機能した格好となっております。

オプション市場のレビュー
アジア時間はトップサイドのガンマを落とす動き(既に保有している期近の7500CALLや7750CALL、8000CALLを売却する動き)が広がりましたが、またしても、市場全体のトップサイドのガンマロング(潜在的なBTC売り圧力)が解消された直後に急伸する皮肉な結果となりました。(昨日のデイリーレポートでお伝え致しました通り、「目先は動かなさそう」とのオプション勢の相場観は一瞬にして覆される結果となっております)。
こうした動きの背景には、オプション勢による「大相場後の焼け野原感で数日間は値幅が抑制されるも、一巡後は再び動意付くだろう」との安易な相場観が透けて見えます。
出所:昨日のデイリーレポートより
こうした中、米LedgerX社が公表する期間30日間のインプライドボラティリティ指数(LXVX)は再び直近高値圏となる70%近辺まで上昇しております。

また、deribitのbuy/sell一覧を確認すると、昨日売り込まれていた「CALL」オプションが足元で再び買い戻されている様子が伺えます。

本日の注目ポイント
Tainoko@仮想通貨さん作成の「BTC情報アラート」でスマイルカーブを確認すると、スポットが上昇したにも係わらず、プットオプションの「売り戻し(損切り)」が遅れている様子が伺えます(29Novや06Dec)。単純に損切りが遅れているのか、もう一度下がるとの相場観があるのかは不明ですが、少なくとも29Novは期日まで時間が殆どありませんので、本日はダウンサイドプットの「損切り」が加速すると考えられます(損切りが入りきった後にまた下がる可能性もあり要注意)。
それから、黄色の線(27Dec)については、ATM近辺(=現在のスポット近辺)のボラティリティが両サイド(7000ドルや8000ドル)より若干高い状態となっています。スマイルカーブ上、通常だと発生しない状態なので、何故こういうカーブになっているのか少し気になっています(現時点で不明)。
BTC価格が7600ドル近辺まで上昇したことで、最大ピン8000ドルが再び視野に入ってきました。
先週木曜日も最大ピン8000ドルを下抜けてから大相場に突入しましたが、奇しくも本日は木曜日。
Deribitのオプションカット(11/29 日本時間17時)を翌日に控える同じタイミングでもあり、万が一8000ドルに絡むようなことがあれば、大きな動きが出てくる可能性もあります。オプションに絡むデルタ売買動向に注意が必要です。
IVで算出した予想レンジ
LXVX指数(69.38% @7563 USD)で計算した向こう24時間の予想レンジは、
対ドルが「7288ドル〜7838ドル」、
対円が「79.8万円〜85.9万円」です。
具体的な計算方法については下記の記事をご参照下さい!
本日のオプションカットオフ予定表
本日17:00はETH/USDT(BinanceJEX)のオプションカットが予定されております。
(今週のオプション行使期日一覧表はこちら!)
それでは、本日も宜しくお願いします!!