昨日のビットコイン相場(対ドル)は、本日17時にカットオフを迎える超巨大ピン(=3000BTCを超える建玉を有するストライク)7500ドルを挟んだ小動きに留まりました(=マグネット効果)。
マグネット効果とは、行使期日に向けて巨大ピンに吸い寄せられる現象のこと
今回のケースに置き換えると、超巨大ピン7500ドルの上側ではオプションBuyerによるデルタヘッジのBTC売り、下側ではデルタヘッジのBTC買いが発生することで、7500ドル前後で相場が膠着し易くなるという意味です。
尚、ストラテジストやアナリストがオプション市場のストライクが集中しているエリアのことを「バリア」という表現で説明することがありますが、これは明らかな間違いです。インターバンクのオプションディーラーがプレーンバニラの建玉集中エリアのことをバリアと呼ぶことは100%ありません。バリアはリバースノックアウトやヨーロピアンノックアウトが存在するデルタ値の変化が著しく大きいエリアのことを指します。従って、オプション建玉とは全くの別物です。

オプション市場のレビュー
BTC相場の膠着を受けてボラティティは全体的に低下する動きとなりました。米LedgerX社が公表する期間30日間のインプライドボラティリティ指数(LXVX)も65%台へ低下しております。

カットオフに向けて7500ドルで相場が膠着すること(=マグネット効果)を警戒して、タイムディケイをセーブする動きが広がったことが背景です。ボラティリティカーブを見ても、29Novだけでは無く、06Dec物にまでオプションを売却する動き(ガンマ売り+セータ受け)が広がっていることが確認できます。

本日の注目ポイント
本日はDeribitのカットオフに注目!!
カットオフ時間は17時です(行使レート決定プロセスは16:30から始まりますので、大口プレイヤーによるカットオフに向けたデルタ調整は16:30からスタートします。既存の外国為替市場における本邦の公表相場決定前や、ロンドンフィキシング前と同じイメージです)。
現在の建玉一覧は下記の通りです。7500ドルが3737BTC、8000ドルが4106BTCです。11/29足が落ちると全体的に建玉がごっそり抜け落ちますので、BTC相場の値動きが荒くなる恐れがあります。この辺りについては、昨日のSFさんの寄稿レポート(FXcoin)がとても参考になります。

Deribitのオプションカット(11/29 日本時間17時)前後で値動きが荒くなるケースが2週続けて生じましたので、今週も要注意です。
詳細に付きましては、先週執筆した下記レポートをご参照ください。
尚、本日の夜(日本時間11/30午前1時)は、CMEビットコイン先物(11月限月)の取引最終日でもありますので、ここでも動意が見られるかもしれませんね!!
IVで算出した予想レンジ
LXVX指数(65.57% @7595 USD)で計算した向こう24時間の予想レンジは、
対ドルが「7334ドル〜7856ドル」、
対円が「80.4万円〜86.0万円」です。
具体的な計算方法については下記の記事をご参照下さい!
本日のオプションカットオフ予定表
17:00:BNBUSDT オプションカットオフ(BinanceJEX)
17:00:BTCUSD オプションカットオフ(Deribit)
17:00:ETHUSD オプションカットオフ(Deribit)
01:00:BTCUSD 先物最終取引日(CME)
06:00:BTCUSD オプションカットオフ(LedgerX)
(今週のオプション行使期日一覧表はこちら!)
それでは、本日も宜しくお願いします!!