BTCオプション日報「BTC相場膠着でボラティリティはひとまず低下」

週末のビットコイン相場(対ドル)は上昇後に反落する展開となりました。11月29日(金)17時のオランダカット前は巨大ピン7500ドルに吸い寄せられて膠着する「マグネット効果が見られましたが、カットオフ後は7500ドルを始め多くのストライクが落ちたことから、オプションに絡む引力が弱まり、ビットコイン相場はその後一転して上昇する展開となりました(=7500ドルや7750ドルより上のBTC売り圧力が無くなったことでBTCが上昇し易くなった)。

もっとも、7750ドルアッパーでは、心理的節目8000ドル(⇦引き続きガンマロングと見られているエリア)をバックにした「戻り売り」意欲も根強く、短期上昇トレンドは7870ドルをトップにひとまず頭打ち。12月1日(日)には再び下落に転じ、日本時間18時頃には一時7237ドルまで下げ幅を広げました。

出所:TradingViewより作成

オプション市場のレビュー

BTC相場が上昇後に反落したこと(方向感を見出せなかったこと)を受けて、ボラティティは全体的に低下しました(=ガンマ需要の剥落)。米LedgerX社が公表する期間30日間のインプライドボラティリティ指数(LXVX)は60%近辺まで低下しております

出所:LedgerXより作成

但し、BTC情報アラートさんのDeribitスマイルカーブを確認すると、引き続きBTCプットオーバー(上方向のオプションよりも下方向のオプションが割高な状態)が続いております。つまりBTC相場が下落すれば、インプライドボラティリティが上昇する可能性が高いことを示唆しています。現時点でオプション市場の反応は(BTC相場が下落したにも係らず)見られておりませんが、どこかの水準(例えばいかにもガンマが足りてなそうな7000ドル割れのエリアなど)を割り込むと、一気にダウンサイドオプションのボラティリティが噴き上がる恐れもあり注意が必要でしょう(=ダウンサイドのガンマやベガをショートにしていると、ある時点を境にポジションが一気にアゲインストに向かう恐れあり)。

尚、スマイルカーブについては下記の記事をご参照下さい🌸

本日の注目ポイント

11月29日17時のカットオフ直後より8000ドルCALLを買い上げる動きが広がりましたので、再び年内足合算ベースで8000ドルが巨大ピンとなりつつあります。同水準は少なくとも年内一杯は心理的節目として機能しそうです。

出所:Deribitより作成

もっとも、BTC相場は、8000CALLの買いが集中する過程で一時7870ドルまで上がりましたが、その後反落に転じました。従って、ここから先は今週末の期日に向かって8000ドルCALLを売り戻す動き(見切りのロスカット)が広がるか否かに注目が集まりそうです(=マイナーによるカバードコールが同タイミングで入ればさらにその動きが広がる可能性大。市場参加者によるCALLオプションの売りはMMのデルタヘッジのBTC売りを通じてBTC相場を押し下げる効果)

また、この場合、リスクリバーサルがトップサイド安・ダウンサイド高方向にシフトする可能性が高く、市場参加者がそれに連られてBTC売りに拍車をかける恐れもあり注意が必要です(=トップサイドのオプション売りに起因するリスクリバーサルのBTCPUTオーバーなのに、あたかもダウンサイドオプションが買われてBTCPUTオーバーになっているかのような錯覚をおこし、ついBTC売りを行なってしまう現象)。

以上を踏まえると、BTC相場は短期的に見て「ややダウンサイドリスク(下落リスク)」が大きいと整理できます。

IVで算出した予想レンジ

LXVX指数(60.86% @7363 USD)で計算した向こう24時間の予想レンジは、

対ドルが「7128ドル〜7598ドル」
対円が「78.1万円〜83.2万円」です。

具体的な計算方法については下記の記事をご参照下さい!

本日のオプションカットオフ予定表

17:00:EOSUSDT オプションカットオフ(BinanceJEX)

今週のオプション行使期日一覧表は下記の記事をご参照下さい!

それでは、本日も宜しくお願いします!!

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本記事は一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産を含む金融商品の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨するものではありません。本記事は、信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、その正確性、適時性、適切性又は完全性を表明又は保証するものではありません。投資の最終判断は、お客様ご自身の責任のもとで行われます様よろしくお願い申し上げます。
CoinCollege∛編集部

CoinCollege∛編集部はインターバンク市場で活躍したオプションディーラーやフォワードディーラー、エコノミストやストラテジスト、有価証券バイサイドトレーダーなど複数名の有志で構成されたリサーチ&トレーディングチーム。

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