3日(火)のビットコイン相場(対ドル)は方向感に欠ける値動きとなりました(1日の値幅も僅か175ドル程度)。テクニカル的な「弱さ」が上値を抑制する一方、既存金融市場における「リスク回避ムード」が続落を阻む構図となっております。
ビットコイン(左側)とゴールド(右側)の日足チャートを比較すると、ゴールドがビットコインに先行しているように見えなくも無いです。
「米中リスク再燃」→「グローバルな貿易戦争リスク台頭」→「リスク選好ムード後退」→「株価反落」→「リスク回避のゴールド買い+新興国通貨売り」の流れが回り回って「ビットコイン買い」に波及するのでは無いかとの警戒感も、ショート勢を若干不安にさせているように感じます。

また、投機筋のCMEビットコイン先物のショートポジション(※ネットショートではありません)が約1年1ヶ月ぶり低水準へ縮小していることも、ショートポジションを持ちづらくさせている要因の一つです。
本件については、添付の記事をご参照下さい!
オプション市場のレビュー
BTC相場が膠着したことを受けてボラティリティは小緩む展開となりました(大きな動きではありません)。1month ATM(at the money)は62.35%レベルで取引されております。

ボラティリティカーブもスティープニング状態が続いており、ガンマ需要(値動きが荒くなることにbetする動き)も見られておりません(欧州時間入り後にBTC相場が下がった際に、ダウンサイドを中心にボラティリティがビッドアップする場面も見られましたがすぐに沈静化しました)。市場参加者が目先の値動きを過小評価(=相場が止まると予想)している様子が伺えます。

本日の注目ポイント
BTC情報アラートさんのDeribitスマイルカーブを確認すると、ATM近辺のボラティリティが水準を切り下げながらも、スマイルカーブの形状は元の状態に戻りました(なだらかなカーブへ)。
昨日はスマイルカーブが何故かBTCコール高方向に寄った違和感のある形状でしたが、割高なBTCコールを潰す動きが強まったことで(或いは割安なBTCプットを買う動きが強まったことで)、スマイルカーブは元の形状に戻りました(オプション取引はある意味スマイルカーブの凸凹を潰すゲームとも言えます)。この点については、オプショントレーダーのコロイさんのツイートが参考になります。
現在のビットコイン市場はかなり難しく感じます。
基本的に「ベア目線」維持ではありますが、上記で述べた通り既存金融市場で「トランプ劇場」に端を発したリスク回避ムードが押し寄せてきましたので、①新興国通貨安・ゴールド買いを通じてビットコイン価格が持ち直すのでは無いか?との恐怖感と、いやいや、②昨日のようなリスク回避の動きがあったにも係わらずビットコインは殆ど上がらなかったのだから上値はやっぱり重いんだという自信の葛藤に揺れ動く心理状態です。
私共はデルタショートポジションを昨晩全て解消し、現在は06Dec7250putと、13Decの7000put、保険的に27Decの8500callを全て裸ロング(without delta)で持っているだけのポジションにしております(年内期日のオプションについては売りオプションを全て解消済み)。
IVで算出した予想レンジ
1monthのインプライドボラ(62.35% @7307 USD)で計算した向こう24時間の予想レンジは、
対ドルが「7069ドル〜7545ドル」、
対円が「76.7万円〜81.9万円」です。
本日のオプションカットオフ予定表
17:00:BTC/USDT オプションカットオフ(BinanceJEX)
今週のオプション行使期日一覧表は下記の記事をご参照下さい!
それでは、本日も宜しくお願いします!!