BTCオプション日報「7000アンダーのショートガンマに要警戒」

昨日のビットコイン相場(対ドル)は下落後に急伸(7080ドル→7775ドル)、その後急落(7750ドル→7200ドル割れ)の大荒れの1日となりました。結果としての前日の膠着相場が「嵐の前の静けさ」となった格好です(ガンマショート勢にとっては苦しい展開。ガンマロング勢にとっては美味しい展開)。

ビットコイン急伸の背景は、海外の仮想通貨取引所OKExへのUSDT大量送金が引き金となった模様です(この辺りはMEX仙人さんのツイートや、CoinPostさんの記事が参考になります)。OKExへの大量送金が、その後のUSDT売却→BTC購入を想起させ、それがやや大きめショートカバーを引き起こしたと推察されます

但し、今回の急騰劇に伴うDeribit破産者(強制ロスカット者)の数はそこまで膨らんでおりません(オプション市場的には大きな痛手は被らず=ガンマショートによる退場者が続出しているわけでは無い)。従って、オプション市場の観点で見れば「買いが買いを呼ぶアップサイドのショートガンマ地獄」には陥らなかったと判断することもできます。

出所:Deribitより作成

オプション市場のレビュー

BTC相場が動意付いたこと(7080→7775→7200割れ)でボラティリティは幾分上昇しましたが(1month ATMで64%レベル)、それでも尚、反応は限定的です(市場参加者による過小評価が続いております)

ボラティリティカーブはガンマゾーンを中心に若干ビッドアップしておりますが、まだまだ強めのスティープニング状態です。やはり7000ドルを割り込まない限り(或いは8000ドルを突破しない限り)、ガンマ需要「値動きが荒くなることにbetする動き」は出ていこないと考えられます(反対に7000ドル〜8000ドルレンジを突破できれば市場がショートガンマ転する可能性あり)

出所:skewより作成

本日の注目ポイント

BTC相場は昨日海外時間に急伸するも、今朝方急落に転じるなど、「全値戻し」の可能性が射程圏内に入りました(下髭より上髭の方が長くなった)

この為、本日はダウンサイドオプションのニーズが高まる展開が予想されます(期近のATMは引き続き過小評価状態が続いておりますが、この値動きでショートガンマは相当厳しいと思います)。特に7000ドルアンダーはショートガンマゾーンと見られることから、割り込んだ際の急落リスクに警戒が必要でしょう

私共は引き続き「ベア目線」+「ボラティリティ上昇」の相場観を有していますが、12/3の夜以降、デルタ(現物や先物の裸ロングや裸ショート)での勝負を避けております。昨日お伝え致しました通り、年内のポジションは、06Dec7250putと、13Decの7000put、保険的に27Decの8500callを全て裸ロング(without delta)で持っているだけとなっております(但し、オプションに絡むデルタヘッジは淡々と継続しております)。

IVで算出した予想レンジ

1monthのインプライドボラ(63.57% @7215 USD)で計算した向こう24時間の予想レンジは、

対ドルが「6975ドル〜7455ドル」
対円が「75.9万円〜81.2万円」です。

本日のオプションカットオフ予定表

17:00:ETH/USDT オプションカットオフ(BinanceJEX)

今週のオプション行使期日一覧表は下記の記事をご参照下さい!

それでは、本日も宜しくお願い致します!!

=======免責事項=======
本記事は一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産を含む金融商品の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨するものではありません。本記事は、信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、その正確性、適時性、適切性又は完全性を表明又は保証するものではありません。投資の最終判断は、お客様ご自身の責任のもとで行われます様よろしくお願い申し上げます。
CoinCollege∛編集部

CoinCollege∛編集部はインターバンク市場で活躍したオプションディーラーやフォワードディーラー、エコノミストやストラテジスト、有価証券バイサイドトレーダーなど複数名の有志で構成されたリサーチ&トレーディングチーム。

CoinCollege∛編集部をフォローする
マーケット
CoinCollege∛
タイトルとURLをコピーしました