ビットコインのCME先物ポジション
米商品先物取引委員会(CFTC)は12/6(金)、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の12/3(火)時点(※)のビットコイン先物「建玉」データを発表しました。
投機筋(レバレッジファンド)の買い持ち(ロング)と売り持ち(ショート)の差を表すネットポジション(添付チャートの黄色線)は、1,815 BTCの売り持ち超過(ネットショート)となり、ヒストリカルハイ(過去最高水準のネットショート5,655 BTC)を記録した3週間前(11/12)とは一変し、約3ヶ月ぶり低水準までネットショートを縮小させる結果となりました。
※本統計は、火曜日時点のポジションが金曜日に公表される為、3日間のタイムラグが生じます。従って、最新のポジション動向を表している訳では無い点に留意が必要です。

また、特筆すべき事項としては、上記棒グラフの、①ロングポジション(青色)、②ショートポジション(赤色)が共にCFTCがCME先物データの公表をスタートした2018年4月10日(※)以来の低水準まで落ち込んでいる点です。
※CMEは2017年12月18日よりビットコイン先物サービスの提供を開始したが、データがCFTCに反映されたのは2018年4月10日時点の建玉以降となります。
ロングポジションは統計開始後の史上最低水準となる4,470BTC、ショートポジションは統計開始最初のデータとなる2018年4月10日以来となる6,285BTCまで落ち込みました。。。
つまり、ファンド勢の建玉(ロングポジションとショートポジションの合算)そのものが急縮小しているということです(建玉合計は10,755BTCとなり、2018年4月10日の10,050BTCに急接近)。
建玉急減の理由は定かではありませんが、私自身は、①仮想通貨トレードから撤退するヘッジファンドの増加、②単なるポジション調整(11月〜12月の決算要因)、③他取引所(Bakktなど)への分散、④トレード期間の短縮化(長期保有から短期保有へ)の組み合わせであると考えております😭
上記①が主な理由だとしたらとても深刻ですね。。。

CMEはオプション取引を2020年1月13日からスタート
こうした先物市場の「低商い」の打開策の一つとして、CMEグループは2020年1月13日よりオプションサービスを開始することを発表しました。
オプション取引の開始はデルタヘッジ機会の創出を通じて当該オプションの原資産である先物取引のボリュームを急増させる効果があるからです。ライバル会社のBakktも同様の効果を企図して2019年12月9日よりオプション取引を開始する旨発表しました。Bakktのサービスローンチまで残り2日、CMEのサービスローンチまで残り37日。先物市場の動向から目が離せなくなりそうですね。
CMEオプションについては過去の記事をご参照下さい🌸
まとめ
①レバレッジファンド勢のネットショートポジションは今年の8/27以来の低水準
②レバレッジファンド勢のロングポジションとショートポジションは共に統計開始以来の最低水準
③投機筋はこの3週間で驚くほど早いスピードで建玉をクローズ(仮想通貨ヘッジファンドの撤退が理由の可能性あり)
④出来高減少の打開策の一つとしてCMEグループはオプション取引のサービスローンチを決定(来年1月13日スタート)
今後ともどうぞ宜しくお願い致します🌼