米インターコンチネンタル取引所(ICE)の子会社「Bakkt(バックト)」は2019年12月9日(月)、仮想通貨オプション取引をいよいよスタートさせます。
オプション市場の活性化はビットコイン価格に少なからず影響を与えることから、市場参加者の間でも最近俄かに注目されつつあります。
この記事では、Bakktオプションの詳細について解説いたしますね!
Bakktオプションの特徴
【Bakktオプションの原資産】
Bakkt BTC(USD)Monthly Future(←既に上場されている先物です)
【取引単位】
1コントラクト=1BTC(但し大口のブロックトレードの際は最低10BTC以上)
【取引時間】
米東部時間の日曜20時〜金曜18時まで(冬時間だと日本時間月曜午前10時〜土曜午前8時まで)
【取引最終日(※行使期日ではありません)】
対象限月の第3金曜日の4営業日前の米東部時間18時(冬時間だと日本時間の午前8時)
【カットオフレート】
Bakkt BTC(USD)Monthly FutureのSQ値(対象限月の第3金曜日の前日)
【オプションタイプ】
プレインバニラのヨーロピアンタイプ
BakktオプションとBakkt先物の取引最終日(LTD)一覧
Bakktのウェブサイトによると、Bakktオプションの取引最終日(LTD)は第3金曜日の4営業日前と記載されております。従いまして、原資産である先物の取引最終日と、オプションの取引最終日に2日間のズレが生じることになります。
この2日間のズレは、オプショントレーダーの満期直前のデルタ操作をややこしくさせる可能性があります。
詳細は別の記事で解説する予定ですが、簡単にお伝えすると、満期まで残り3日間の8000ドルのコールオプションを保有しているプレイヤーは、本来であれば、最後の3日間に、①オプションそのものを売却して収益化、②デルタ操作を繰り返すことで収益化といった2つの選択肢がある訳ですが、Bakktオプションの場合、前者が3日前の時点で禁じられてしまう(取引最終日を迎えてしまう)為、収益化を後者のデルタ操作(先物の売買)に依存せざるを得なくなります。つまり、第3週の火曜から水曜のクローズにかけて、Bakktオプション勢のデルタヘッジが活発化する恐れがありますので、注意が必要です。
仮想通貨オプション市場は競合激化
仮想通貨オプション市場は現在、Deribit(オランダ)、LedgerX(米国)、BinanceJEX(中国 ※登記はセーシェル共和国)の3社競合状態ですが、明日以降ここに、巨大資本を有するBakkt(米国)が参入し、また、来年には米国の大手先物取引所CME(シカゴマーカンタイル取引所)と、香港の大手仮想通貨取引所BitFinexが参入することになります。米国に3社、アジアに2社、欧州に1社という構図ですね。

尚、CoinCollege編集部の見解では、BakktとCMEオプションの土日祝日休日対応は特段大きな問題にはならない(多取引所と比較した際のデメリットにはならない)と考えております。
各仮想通貨オプション取引所の決済時の特徴比較
決済時の特徴としては、
【Deribit】
差金決済型オプション取引所(BTCやETH建て差金決済)
【BinanceJEX】
差金決済型オプション取引所(USDT建て差金決済)
【LedgerX】
現物決済型オプション取引所(現物決済)
【CME】
差金決済型オプション取引所(USD建て差金決済)
【Bakkt】
現物決済型オプション取引所(現物決済or差金決済を選択可能)
各仮想通貨オプション取引所のカットオフタイム比較
ファンダメンタルズやテクニカルでは説明できないオプション特有のトリッキーな動きを予想する上で、オプションカットオフの時間を把握することはとても重要です。日本時間に置き替えて丸暗記することを強くオススメ致します! 以下は全て冬時間前提で書いております。
Deribit(オランダ)
日本時間17時(冬時間も夏時間も変わらず)
Binance JEX(中国系 ※本店投機はセーシェル共和国)
日本時間17時(冬時間も夏時間も変わらず)
LedgerX(米国)
日本時間6時(夏時間は日本時間5時)
CME(米国)
日本時間1時(夏時間は日本時間24時)
Bakkt(米国)(※カットオフでは無く、取引最終日)
日本時間8時(夏時間は日本時間7時)
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