ビットコインのCME先物ポジション
米商品先物取引委員会(CFTC)は12/13(金)、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の12/10(火)時点(※)のビットコイン先物「建玉」データを公表しました。
投機筋(レバレッジファンド)の買い持ち(ロング)と売り持ち(ショート)の差を表すネットポジション(添付チャートの黄色線)は、3,485 BTCの売り持ち超過(ネットショート)となり、約3ヶ月ぶり低水準(1,815BTC)を記録した前週とは一変し、再びネットショートが拡大する結果となりました。
※本統計は、火曜日時点のポジションが金曜日に公表される為、3日間のタイムラグが生じます。従って、最新のポジション動向を表している訳では無い点に留意が必要です。

内訳を確認すると、
ロングポジションは、統計開始来の最低水準(4,470BTC)を記録した前週から増加に転じ、今週は前週比+875BTCの5,345BTCを記録しました。
ショートポジションは、4月10日以来の最低水準(6,285BTC)を記録した前週から大幅に増加し、今週は前週比+2,545BTCの8,830BTCを記録しました。
ロングポジションの増加以上に、ショートポジションが増加したことで、両者の差を表すネットショートが1,670BTC増加する結果となりました。
→ 11月末決算前後で一旦ポジションを手仕舞っていたファンド勢が再度ポジションを構築し直した可能性もあり、来週以降の展開(CME市場の出来高)に注意が必要でしょう!
事実、このところ減少基調を辿っていた「建玉合計」についても、増加の兆しが見えつつあります!

CMEはオプション取引を2020年1月13日からスタート
ビットコイン先物市場の「低商い」の打開策の一つとして、CMEグループは2020年1月13日よりオプションサービスを開始することを発表しました。
オプション取引の開始はデルタヘッジ機会の創出を通じて当該オプションの原資産である先物取引のボリュームを急増させる効果があるからです。
ライバル会社のBakktも同様の効果を企図して2019年12月9日よりオプション取引を開始しました。12月12日には、ローンチ後初めてとなるオプション取引のブロックトレード(大口の相対取引)の成立も公表されております。
今回のブロックトレード利用者に仮想通貨オプションマーケットメーカーの両翼の1社「Galaxy Digital」が含まれていたことで、同取引所がインターバンク的な機能を有するのでは無いかとの見方が強まりつつあります。本件については、CMEオプションも同様と見られ、DeribitやOKExでマーケットメイクをして引き受けたポジションを、BakktやCMEで融通(カバー)し合う帰趨が透けて見えます。
CMEのサービスローンチまで残り30日。先物&オプション市場の動向から目が離せなくなりそうですね。
CMEオプションについては添付の記事をご参照下さい🌸
まとめ
①レバレッジファンド勢のネットショートは拡大に転じる
②レバレッジファンド勢のロングポジションとショートポジションは共に拡大に転じる
③ここ数週間、驚くほど早い速度で解消されていた先物建玉がここに来て増加に転じる(→仮想通貨ヘッジファンドの撤退が建玉現象の理由と見られていたが、建玉が拡大に転じたことで、単なる決算挟みの調整だった可能性が浮上。来週以降の取り組み状況を確認する必要性あり)
④出来高減少の打開策の一つとしてCMEグループはオプション取引のサービスローンチを決定(来年1月13日スタート)。
⑤Bakktでは早速Galaxy Digital とXBTOのブロックトレードが成立するなど、米当局に認可されたBakktやCMEが仮想通貨オプションのインターバンク市場的な役割を担う可能性が浮上。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します🌼