BTCオプション日報「節目7000を巡る攻防。ボラ低下もリスクは下向き」

ビットコイン相場(対ドル)は心理的節目7000ドルを巡る攻防が続いております。何度トライしても抜けない「底堅さ」がある一方、戻りは戻りで異常で鈍く、上下共動きにくい相場展開が続いております。

テクニカル的に見ると、①弱気のパーフェクトオーダー(21日線<90日線<200日線)②一目均衡表三役逆転(転換線の基準線下抜け+一目均衡表雲下限下抜け+遅行線のローソク足下抜け)が継続しており、また、戻り局面でも、③一目均衡表転換線や基準線に確りキャップされておりますので、やはりダウンサイドリスクの方が大きいと判断できます(但し、残り2日で遅行線が11/22の下髭に接触しますので、一目均衡表三役逆転消失→BTC下落シグナル終了→BTC反発の可能性も燻ります)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、④米中リスクと英国リスクが共に後退したことで、リスクオフを起点としたビットコイン市場への資金流入は少なくとも年内は見込みづらい雰囲気が出てきている他⑤CME先物市場でも、ネットショートが再び拡大に転じるなど、こちらもやはりダウンサイドリスクがやや大きめな感じがしてます。

出所:TradingViewより作成

尚、最新のCME先物動向については下記のもかリーヌさんの記事をご参照ください!

オプション市場のレビュー

ビットコイン相場の膠着(心理的節目7000ドルを割り込みそうで割り込まないじれったい相場展開)を受けて、ボラティリティは低下基調を強めております。

1ヶ月物ATM(at the money)は50%台後半まで低下しました(先週は60%台前半)。

出所:skewより作成

①ビットコインが7000ドルを割り込んで大きく下落するのか②大規模なショートカバーが発生して7500ドル近辺まで上昇するのか③或いはこのまま相場が膠着してレンジ相場に終始するのか、答えは誰も分かりませんが、少なくともオプション勢が出した答え(コンセンサス)は今のところ上記③(オプションの売り)であると言えそうです。

個人的には、上記①が5割、上記②が3割、上記③が2割くらいの確率で起きるのではないかと考えておりますので、ストラドル・ロングのポジションを保有しております。相場観は人ぞれぞれであり、個人ごとに異なる相場観にきめ細やかに対応できるのがオプション戦略の長所となります

本日の注目ポイント

本日は、①心理的節目7000ドルを下抜けられるか否か②下抜けた場合にインプライドボラティリティが高騰するか否かに注目が集まります。特に後者が強烈にビッドアップする(買い上げられる)場合は、市場のショートガンマの「示唆」と受け止められることから、下落に拍車がかかる恐れもあります。

今のところそうした動きは見られませんが、ボラティリティは市場参加者の感情を表しますので、BTC相場が7000ドルを割った途端に突如動意が見られる可能性があり注意が必要でしょう。

尚、現在の期近オプションの建玉一覧は下記の通りです!

当編集部では、12/20足に見られる「6750ドルPUT」の建玉増加は、ダウンサイドにショートガンマがあることを示唆していると受け止めております

IVで算出した予想レンジ

1monthのインプライドボラ(55.53% @7,117 USD)で計算した向こう24時間の予想レンジは、

対ドルが「6,910ドル〜7,324ドル」
対円が「75.5万円〜80.0万円」です。

本日のイベント一覧

17:00:EOSUSDT オプションカットオフ(BinanceJEX)

12/16〜12/19 欧州議会本会議

それでは、今週も宜しくお願い致します🤶

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本記事は一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産を含む金融商品の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨するものではありません。本記事は、信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、その正確性、適時性、適切性又は完全性を表明又は保証するものではありません。投資の最終判断は、お客様ご自身の責任のもとで行われます様よろしくお願い申し上げます。
CoinCollege∛編集部

CoinCollege∛編集部はインターバンク市場で活躍したオプションディーラーやフォワードディーラー、エコノミストやストラテジスト、有価証券バイサイドトレーダーなど複数名の有志で構成されたリサーチ&トレーディングチーム。

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