ビットコイン相場(対ドル)は米国時間午後(日本時間朝3時頃)にかけて、心理的節目7000ドルを割り込みました。5日間に亘る7000ドルの攻防の末、押し目買い勢力が敗北した格好です。遅行線がローソク足に接触するまで残り2日間しかなかったことも、日柄的に「下」をやり易かったと考えられます(=遅行線がローソク足に接触すると三役逆転が終了する為、それを避けるように下落するマーケットの習性)。
テクニカル的に見ると、①弱気のパーフェクトオーダー(21日線<90日線<200日線)、②一目均衡表三役逆転(転換線の基準線下抜け+一目均衡表雲下限下抜け+遅行線のローソク足下抜け)の継続、③365日移動平均線の下方ブレイクなど、リスクは依然「下向き」と判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、④米中リスクと英国リスクが共に後退したことで、リスクオフを起点としたビットコイン市場への資金流入が見込みづらくなったこと、⑤DCEPをはじめ中銀デジタル通貨の台頭を受けてビットコインなど非中央集権型仮想通貨の良い部分が一時的に見えづらくなっていること、⑥CME先物市場でネットショートに拡大の兆しが見られることなど、やはりダウンサイドリスクが大きめな感じがしております。
以上を踏まえ、当編集部ではビットコイン相場の「短期ベア見通し」を維持しております(来年はブル転予想です)。
オプション市場のレビュー
ビットコイン相場が心理的節目7000ドルを割り込んだことで、オプション市場では短期物を中心にボラティリティ需要(ガンマ需要)が高まりつつあります(膠着相場を予想してオプションを売り込んでいた向きがオプションを急いで買い戻している状態)。
1ヶ月物ATM(at the money)は61%付近まで急上昇しました。

オプション勢は、①ビットコインが7000ドルを割り込んで大きく下落するのか、②大規模なショートカバーが発生して7500ドル近辺まで上昇するのか、③或いはこのまま相場が膠着してレンジ相場に終始するのか、の3択で迷っていましたが、結果として上記①の相場展開になっている状況です。
本日の注目ポイント
本日は、ダウンサイドに控えるショートガンマが顕在化するのか否かに注目が集まります(インプライドボラの上昇を見る限り、ダウンサイドはショートガンマの可能性大)。Deribitのbuy/sell一覧を見ると、やはりここ数時間でPUTオプションの買いが増加傾向にあります(ネットで見ると、コールは2%の売り超、プットは14%の買い超)。

BTC相場がショートガンマゾーンとみられる6750ドルを割り込んだ場合、インプライドボラティリティが一段と高騰する可能性があり注意が必要です(スポット下落でオプション価格が高騰→ショートガンマを閉じたいけどオプション価格が高過ぎてオプションを買えない→現物や先物などデルタを売ることでポートフォリオ時価を守ろうと奮闘→BTC急落の負のスパイラル)。
尚、現在の期近オプションの建玉一覧は下記の通りです!
当編集部では、12/20足に見られる「6750ドルPUT」の建玉増加、1/31足の「5500ドルPUT」の建玉増加は、ダウンサイドにショートガンマがあることの示唆と判断しております。
IVで算出した予想レンジ
1monthのインプライドボラ(61.2% @6,875 USD)で計算した向こう24時間の予想レンジは、
対ドルが「6,655ドル〜7,095ドル」
対円が「72.9万円〜77.7万円」です。
本日のイベント一覧
17:00:LTCUSDT オプションカットオフ(BinanceJEX)
18:00:レーンECB専務理事講演
22:00:ダラス連銀カプラン総裁講演
02:30:ボストン連銀ローゼングレン総裁講演
02:30:ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁講演
12/16〜12/19 欧州議会本会議
BTCUSD史上最高値記録から2周年記念日
それでは、今週も宜しくお願い致します🤶