この記事では、オランダの仮想通貨オプション取引所Deribitのストライク別建玉を、①フロントエンド(1月中に行使期日を迎える期近足)と、②バックエンド(2月以降に行使期日を迎える中長期足)に分類して整理いたします。
BTCUSDのオプション建玉一覧(フロントエンド)
添付ピクチャの左側は「12/27(金)の日本時間朝6時00分時点のストライク一覧」、右側は「12/28(土)の日本時間17時時点のストライク一覧」となります。真ん中部分に各ストライク別の増減を記しております。
建玉一覧を見る限り、上方向も下方向も特段大きなリスクは感じられません。敢えて言うなら、6000ドルなどダウンサイドの建玉がやや増加傾向にある点です。

skew社が提供するderibitのbuy/sell一覧を確認すると、Putオプションは売り超、Callオプションは買い超となっていますので、6000ドルなどダウンサイドの建玉増加(特に1月31日期日)は市場参加者による売りオプションの可能性が高いと推察されます。

1月31日期日の6000ドルPUTなどは未だ100ドルを超えるオプションプレミアム(実勢相場7280ドル時点)が乗っていますので、「ターゲット・バイイング」的な発想でPutオプションを売却している市場参加者が多い事を示唆しています。
ターゲット・バイイング(通称:ターバイ)
購入しても良い(指値買いオーダーを置いても良い)と思う水準のPutオプションを売却してオプションプレミアムを獲得する戦略。私の場合、「向こう1ヶ月間で6000ドルまでビットコインが下がったら買おう」と考えていますので、同一行使価格(6000ドルPUT)を売却するという戦略を取る事ができます。
BTCUSDのオプション建玉一覧(バックエンド)
2月28日以降に行使期日を迎える比較的「期間が長い」オプション(バックエンド)の建玉を確認すると、最大建玉は12000ドル、次いで4000ドル、3位が16000ドルであることが分かります。構造的には、トップサイドは買い、ダウンサイドは売りと考えられます。但し、3月27日に集中している4000ドルPUTはマイニングファームによる四半期末ヘッジの一部の可能性もあり注意が必要でしょう(マイニングファームがone wayでPutオプションを買っている為、市場は当該ゾーンがショートガンマになっている可能性大)。
尚、半減期以降(6/26足、9/25足)のオプションについてはプレミアムが高いこともあり、建玉はあまり増加しておりません(流動性が低く、2wayもワイドで全く盛り上がっておりません)。但し、年明け以降、半減期前後のビットコイン上昇を見越したトップサイド買いが一気に入る可能性もあり、当該ゾーン(6月足、9月足)の建玉変化に注目が集まりそうです。
