この記事では、オランダの仮想通貨オプション取引所Deribitの最新のストライク別建玉を、①フロントエンド(1月中に行使期日を迎える期近足)と、②バックエンド(2月以降に行使期日を迎える中長期足)に分類して整理いたします。
それぞれの添付ピクチャの左側には「12/28(土)の日本時間朝17時00分時点のストライク一覧」、右側には「12/30(月)の日本時間6時時点のストライク一覧」、真ん中部分(黄色)には「各ストライク毎の建玉合計の前回集計時からの差」を記しております。
BTCUSDのオプション建玉一覧(フロントエンド)
フロントエンド(期近足)の建玉一覧を確認すると、7000ドル足が「最大ピン」となっていることがわかります。前回集計時は「7500ドル足」が最大ピンでしたが、この1日半で最大ピンが7500ドルから7000ドルに移ったことが確認できます(※これを以って市場参加者の相場観が下向きに変わったと判断することは出来ませんが、最大建玉が変化したことは見逃すことのできない注目すべきポイントです)。

行使期日までまだ少し時間が残っていますが、このまま一目均衡表雲下限を上抜けられず反落に転じれば、マグネット効果主導で「7000ドル近辺」に吸い寄せられる可能性もある為、向こう数日間はダウンサイドリスクにも念のため注意しておいた方が良さそうです。
BTCUSDのオプション建玉一覧(バックエンド)
バックエンド(中長期足)の建玉一覧を確認すると、最大ピンは12000ドル(1999BTC)、次いで4000ドル(1877BTC)、3位が16000ドル(1739BTC)であることが分かります。構造的には、トップサイドは買い(個人投資家のオプション買い)、ダウンサイドは売り(個人投資家のオプション売り=ターゲットバイイング)と考えられます。但し、3月27日に集中している4000ドルPUTはマイニングファームによる四半期末ヘッジの一部(マイニング勢によるPUT買い)の可能性もある為、やや注意が必要でしょう(マイニングファームがone wayでPutオプションを買っている可能性もある為、当該ゾーンが大きなショートガンマになっているリスクあり)。
また、規模はそれほど大きくありませんが、この1日半で建玉が増加しているエリアは「10000ドル足」となります(+130.9BTC)。年明け以降のビットコイン上昇を見越して心理的節目10000ドルのオプションを買う動きが広がっていることを示唆しております。
尚、半減期を含むGood-Dateオプション(6/26足、9/25足)についてはプレミアムがまだまだ「高い」こともあり、建玉は殆ど増加しておりません(流動性が低く、2wayもワイドで盛り上がらず)。但し、年明け以降に、半減期前後のビットコイン上昇を見越したトップサイド買いが一気に入ってくる可能性もある為、当該ゾーン(6月足、9月足)の建玉変化には引き続き注目が集まりそうです。
