CFTCポジション分析「ショート急縮小。年明けの上昇を見越した手仕舞いか」

ファンド勢のCME先物ポジション

米商品先物取引委員会(CFTC)は1/6(月)、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の12/31(火)時点(※)のビットコイン先物「建玉」データを公表しました(今回は年末年始休暇の影響で発表日が1/3から1/6に遅延)。

投機筋(レバレッジファンド)の買い持ち(ロング)と売り持ち(ショート)の差を表すネットポジション(添付チャートの黄色線)は、4,015 BTCの売り持ち超過(ネットショート)となり、前回集計時(12/24時点)から1370 BTCのネットショートが縮小する結果となりました(年末にかけてショートを閉じる動きが活発化)。

※本統計は、火曜日時点のポジションが金曜日(今回は年末年始休暇の影響で月曜日)に公表される為、数日間(通常は3日間)のタイムラグが生じます。従って、最新のポジション動向を表している訳では無い点に留意が必要です。

出所:米CFTCより作成

建玉の内訳を確認すると、

ロングポジションは、先週から710 BTC減少し、5,185 BTCに(添付チャート青色の棒グラフ)。

ショートポジションは、先週から2080 BTC減少し、9,200 BTCとなりました(添付チャート赤色の棒グラフ)。2080BTCのショートポジション解消は2019年10月1日以来のかなり大きな金額となりますので注意が必要です

ロングポジションもショートポジションも共に減少しましたが、ショートポジションの減少幅の方が大きかったことで、両者の差を表すネットショートが急縮小する結果となりました。年明け以降の上昇を見越して、ショートポジションを解消する動きが広がったことが背景と考えられます

ファンド勢のCME先物出来高

ビットコインのCME先物ボリュームは、2019年5月をピークに減少基調が続いております。8月以降は50万〜60万BTC前後の「閑散商い」が続いており、昨年4月〜7月頃のピークには遠く及ばない状況です(当時は夏枯れの一時的な状態と言われておりましたが、夏枯れ状態が現在まで続いている格好です😂)

出所:米CMEより作成

CMEはオプション取引を2020年1月13日からスタート

こうした先物市場の「閑散商い」の打開策の一つとして、CMEグループは2020年1月13日よりオプションサービスを開始することを発表しました(いよいよ6日後!!)。

オプション取引プラットフォームの提供は、オプション取引に絡むデルタヘッジ機会の創出を通じて、原資産である先物取引のボリュームを飛躍的に増加させる潜在性があります。ライバル会社のBakktも同様の効果を企図して2019年12月9日よりオプション取引を開始しました。オプション取引の開始が「低商い」の打開策に繋がるか否か、来週のサービスローンチに期待が集まります。

まとめ

①レバレッジファンド勢のショートポジションは年末にかけて急縮小(年明け以降のBTC上昇を見越した手仕舞いだった可能性も)

②昨年8月以降はCMEビットコイン先物市場が終始「閑散商い」

③上記②の打開策の一つとしてCMEグループは2020年1月13日よりオプション取引のサービスを開始予定

今後ともどうぞ宜しくお願い致します🌼

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CoinCollege∛編集部

CoinCollege∛編集部はインターバンク市場で活躍したオプションディーラーやフォワードディーラー、エコノミストやストラテジスト、有価証券バイサイドトレーダーなど複数名の有志で構成されたリサーチ&トレーディングチーム。

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