BTCオプション日報「2020年最初のオプションカットに注目！」

昨日のレビュー

ビットコイン相場（対ドル）は心理的節目7000ドルを割り込み、米国時間にかけて一時6903ドルまで下げ幅を広げました（12/18以来の安値圏）。暫く続いた7000ドル〜7500ドルレンジがついに崩された格好です。

テクニカル的に見ると、①一目均衡表「雲」下限トライに2度（12/23と12/29）失敗したこと（添付チャートの赤色矢印）、②弱気のパーフェクトオーダー（21日線＜90日線＜200日線）、③365日移動平均線の下方ブレイク（添付チャートの黄色線）や、④ダブルボトムからの上方ブレイク失敗、⑤上記④の裏返しとしてダブルトップからの下放れリスク再燃など、総じて「上値の重さ」を意識させるチャート形状となりつつあります。

チャートポイントを軒並み割り込んだことで、心理的節目6500ドル前後を試すシナリオも射程圏内に入ってきました。その場合、11/25安値6526ドルや、12/18安値6430ドルが下値目処となります。一方、7000ドル割れの「深い押し目」を待ち構えていた勢力も相応にいるはずなので、引き続き大きめのショートカバーリスクも燻ります。つまり、現在はロングもショートも線形リスクを取りづらい環境と言えそうです（こうした時こそオプションを絡めた非線形リスクでのポジション構築が理にかなってくると思います）。

ビットコイン相場の下落を受けて、インプライドボラティリティ（IV）は手前を中心にビッドアップしました。1ヶ月物インプライドボラティリティ（at the money = ATM）は再び58%台へと上昇するなど、オプション市場は「買い方優勢の地合い」となりつつあります。

インプライドボラティリティ（IV）が上昇している背景としては、①年初の上昇を見込んで事前にPUTオプションを売り込んでいた向きによる買い戻しや、②BTC相場がここから一段と下がることを見越した新規のPUT買い、③ショートカバーを見越してキャッシュ（BTC現物やBTC先物）をロングにしつつ、下がった時の保険としてPUTオプションをプロテクティブプットとして買っている勢力の3つに分けることが出来ます。

BTC情報アラートさんのスマイルカーブをチェックしても、全体的にダウンサイド（左に行けば行くほど）のボラティリティが高いことが確認できますね。市場参加者がダウンサイドリスクを慌てて織り込み始めていることを表しております。

Deribit Options IVスマイルカーブ（3ヶ月）
価格：$6,947

赤】1/3 17:00
緑】1/10
黄】1/17
青】1/31
紫】2/28
紫】3/27

※ 上段の薄い線は前日線（17時頃）
※ 下段の線はカーブ形状の比較用、青いほど古く最大5日前 pic.twitter.com/hwRlaBFYee
— BTC Status Alert 📊 (@btc_status) January 2, 2020

本日の注目ポイント

本日の日本時間17時は、2020年最初のオプションカット日となります（DeribitのBTCUSDオプションカットに注目）。1月に期日が到来するオプションを合算すると（添付ピクチャの左側）、最大ピンは7500ドル（3009ドル）、二番手が7000ドル（2289ドル）となります。但し、本日（1/3）の17時以降（カットオフを迎えた後）は、添付ピクチャの右側の状態になりますので、7000ドルと7500ドルがほぼ同水準で並ぶことになります。更に、6500ドルの足や6000ドルの足も意外に大きいことが浮き彫りとなります。カットオフ後の乱高下に注意が必要です。

尚、直近4ヶ月間のデータを基に分析した「金曜日（朝7時）から土曜日（朝6時）にかけての時間帯別平均値幅」は以下の通りです。カットオフ当日はオプション足に挟んで膠着するマグネット効果の影響から、17時のカットオフを迎えるまで基本的に動かない傾向が見られます。但し、カットオフ後は、新規のポジション構築がスタートする為、米国時間入り後から突如動意づく可能性がありますので注意が必要です（棒グラフの黄色部分の時間帯）。後、金曜日の14時台は何故か分かりませんが、その他の時間帯と比べて突出して動く傾向がありますので念の為注意が必要です！