ファンド勢のCME先物ポジション
米商品先物取引委員会（CFTC）は1/17（金）、シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）の1/14（火）時点（※）のビットコイン先物「建玉」データを公表しました。
投機筋（レバレッジファンド）の買い持ち（ロング）と売り持ち（ショート）の差を表すネットポジション（添付チャートの黄色線）は、3,255 BTCの売り持ち超過（ネットショート）となり、前回集計時（1/7時点）と比較して、2,465 BTCのネットショート縮小となりました。
2,465 BTC規模のネットショート縮小は、昨年6/18以来で「最大の縮小幅」となっております！
本統計は、火曜日時点のポジションが金曜日に公表される為、3日間のタイムラグが生じます。従って、最新のポジション動向を表している訳では無い点に留意が必要です。
内訳を確認すると、
ロングポジションは、先週から855 BTC 増加し、13,440 BTCに（添付チャート青色棒グラフ）。
ショートポジションは、先週から1,610 BTC縮小し、16,695 BTCとなりました（添付チャート赤色棒グラフ）。
ロングポジションが増加する一方、ショートポジションが縮小した為、両者の差を表すネットショートは先週から今週にかけて急縮小する結果となっております。
建玉の増加基調も継続するなど、2020年が始まり、ファンド勢が本格的にポジション構築を始めた様子が透けて見えます（ショートポジションを減らしてロングポジションを積み増す動き）。
アセットマネジャー勢のCME先物ポジション
次に中期的なトレンド変化を示唆するアセットマネジャー勢のポジションを確認すると、引き続きネットポジションが「ゼロ近傍」で推移していることが分かります（昨年末まではネットショートの状態が続いておりましたが、今年に入り、ネットショートを解消し、フラット近辺までポジションを調整している様子が伺えます）。
昨年6月に年間高値を記録した際も、2ヶ月前の4月頃にアセットマネジャー勢のポジションがネットショートからネットロングに切り替わりました。また、昨年後半にかけてビットコイン相場が崩れた際も、11月頃にネットロングからネットショートにポジションが切り替わりました。
このように、アセットマネジャー勢のポジションは、中期的なトレンド変化を示唆する傾向にありますので、今後もアセットマネジャーのポジション動向に注意が必要でしょう。
ファンド勢のCME先物出来高
CMEのビットコイン先物出来高は、2019年5月をピークに減少基調が続きましたが、2020年に入り、復調の兆しが見えつつあります。今月は月間100万BTCの大台を突破し、昨年5月以来の出来高を記録する可能性があります（当編集部の試算ベース）。
また、今週初（1/13）からはCMEでビットコインオプション取引も開始しており、出来高の増加ペースは今後一層強まる展開が予想されます（ローンチ1週目のオプション出来高は約9.9百万ドルと上々の滑り出し）。
まとめ
①BTC相場の上昇を受けてファンド勢のネットショートは大きく縮小。週間ベースの縮小幅としては昨年6月以来で最大幅。建玉の増加基調も継続しており、「ファンド勢による2020年のポジション構築活発化（昨年4月頃と同じ雰囲気）→ビットコイン上昇」への波及経路に期待が集まりつつあります。
②中長期的なトレンド転換を示唆するアセットマネジャー勢のポジションもネットショートが縮小しており、現在はゼロ近傍までポジション調整が進みました。アセットマネジャーのポジション変化は重要なターニングポイントになる可能性が高く、来週以降のアセットマネジャー勢のポジション動向に引き続き注視が必要です。
③CMEによるビットコインオプション取引は予定通り1/13にローンチしました。ローンチ1週目の出来高は約9.9百万ドルを記録しており、上々の滑り出しとなっております。
来週もどうぞ宜しくお願い致します🌼
