当記事では、世界最大の暗号資産オプション取引所「Deribit」の建玉(ピン)について、簡易分析を行います。
分析対象としては、3月末までに行使期日を迎えるBTCUSDオプションの「期近物および短期物」に的を絞ります。
ショートデート(期近物):1〜2週間以内に行使期日を迎えるオプション
フロントエンド(短期物):2週間〜3ヶ月以内に行使期日を迎えるオプション
バックエンド(中長期物):3ヶ月〜2年以内に行使期日を迎えるオプション
ロングデート(超長期物):行使期日までの期間が2年超のオプション
期近オプション及び短期オプション(ショートデート+フロントエンド)の建玉を確認すると、本稿執筆時点(2020年2月23日15時時点)の最大建玉(最大ピン)は「10,000ドル」であることが分かります(心理的節目10,000ドルにオプション建玉が集中している状態)。
更に「10,000ドル」オプションの内訳を見てみると、来週金曜日(2/28)にカットオフを迎えるオプションが2,591BTC、来月末(3/27)に行使期日を迎えるオプションが2,336BTCにのぼることが確認できます。
当編集部では、ビットコイン(対ドル)の1日平均出来高の0.1%に相当する2,500BTCを超過するオプション建玉を「巨大ピン」として分類しており、カットオフに向けてマグネット効果が生じ易いゾーンとしてトレードの際に特に警戒しております(巨大ピンの分類方法については下記の記事をご参照)。
マグネット効果とは、カットオフに向けて最大建玉を有する行使価格帯に実勢相場が吸い寄せられる現象。
ガンマロング勢による買い足操作が、ガンマショート勢による売り足操作に「先行」することが背景(=ガンマショート勢によるロスカットよりも、ガンマロング勢による利食いが先行するという意味)。
以上を踏まえると、来週金曜日(2/28)のオプションカット(日本時間17時)に向けては、巨大ピン「10000ドル」を巡る攻防に注目が集まりそうです。