19日のビットコイン相場(対ドル)は一段安となりました。心理的節目8000ドルを一時的に割り込み、10/25以来の安値7985ドルまで下げ幅を広げております(但し、一目均衡表雲下限、フィボナッチ78.6%押し、巨大ピン8000ドルをバックに8000ドルアンダーはひとまず髭を残す展開に)

ビットコイン下落の背景としては、①投機筋のロング縮小(添付リンクご参照)や、②新規材料難に伴うマイニング勢の潜在的な売り圧力(11/21の次回難易度調整まで)、③200日EMAやフィボナッチ61.8%を割れたことに伴うテクニカル的な見切り売り、④短期オプションの需給変化(短期リスクリバーサルのBTCプットオーバー拡大=個人投資家やマイナーによるリスクリバーサルの取り組みはMMのデルタヘッジの売りを通じてBTC相場を押し下げる効果)、⑤中国サイドからの相次ぐネガティブヘッドライン、⑥最大ピン8000ドルのマグネット効果等が挙げられます。
オプション市場のレビュー
BTC相場が下方向に動意付いたことを受けて、米LedgerX社が算出する期間30日間のインプライドボラティリティ指数「LXVX」は、58%近辺まで上昇しました。ダウンサイドのヘッジニーズ(含むスペキュレーション)が高まっていることが背景です。但し、リスクリバーサルの高騰に比べて、インプライドボラの上昇幅は限定的となっております(※8000ドルは既に巨大ピンとなっていることから、8000ドル近辺のガンマよりもダウンサイドのガンマに需要が出ている)。

本日の注目ポイント
リスクリバーサルの歪(いびつ)な形状が話題となっていますが、調査会社skewのDeribit Buy/Sell Flowを確認すると、やはり、プットの買いとコールの売りが多いことが確認できます(プット単体で買うのではなく、コールの売りと組み合わせてポジションを造成している可能性大)。

こうした動きは昨年11月〜12月にも見られており、マイニング勢による年末年始のマイニング玉ヘッジ(リスクリバーサル=輸出レンジフォワード=BTCプット買い+BTCコール売り)の動きが出てきている可能性が考えられます(昨年は私たちも同様のヘッジを行いました。今年は見込み採掘量が少ないためノーヘッジの予定です)。尚、輸出レンジフォワードがBTC相場を押し下げる要因については、昨日のDailyレポートや、下記の考察記事をご参照下さい。
尚、年内足(11月と12月に行使期日を迎えるDeribitのオプション建玉)はTwitterの投稿の通りです。引き続き8000ドルが最大ピンとなりますので、オプションに絡んだデルタの売買フローに注意を要します。
LXVX指数(58.04% @8072 USD)で逆算した向こう24時間の予想レンジは、
対ドルが「7827ドル〜8317ドル」、
対円が「84.9万円〜90.2万円」です。
具体的な計算方法については下記の記事をご参照下さい!
本日17:00はBTC/USDTのオプションカットオフ(BinanceJEX)です。
今週のカットオフ・スケジュールはこちら!
それでは、本日も宜しくお願いします!