仮想通貨オプションDAILY「ビットコイン暴騰。MMのガンマショートが狙われる」191026

皆さま、おはようございます! コインカレッジ編集部です。

昨日は、①習近平国家主席がブロックチェーン技術の実装を推進すべきとの発言を受けて、ビットコイン価格が暴騰しました(※ヘッドライン後すぐに反応した訳では無く、暴騰までかなりの時間を要しました)。私の元同僚でもある中国社会科学院のA氏と本件について情報交換しましたが、「昨年来同様の発言が繰り返されており、今回の発言は特に真新しいものでは無い」との見解でした。

ただ、②米中を巡る先行き不透明感が燻っているタイミングでの発言であること、③先日のFBザッカーバーグCEOの議会証言時に議論された「デジタル人民元」の話が市場参加者の頭に残っていたことから、④証拠金勢による大規模なショートカバー⑤オプション勢(マーケットメイカー)による8000ドルアッパーでのガンマショートから出てくるデルタショート(BTCショート)のロスカットを誘発する形で、今回のような予想外の暴騰に結びついたと推察されます。

オプション市場のレビュー(10/25)

10/25の17時にオプション・カットオフを迎えたことで、個人投資家のトップサイド(8000ドル)のガンマロングは幾分減少しました(トップサイドでのBTC現物売り圧力が若干弱まりました)。カットオフ後2時間くらいの取引履歴を見ると、大半がプットオプションの買いでしたので、私も含めて、「ダウンサイド」を見ていた市場参加者は多かったと考えられます。

雰囲気が変わったのは、上述の中国のブロックチェーンネタが出てきた辺りからです。スポットがジリジリと上昇し始め、トップサイドcallが少しづつ出会い始めます。そして、7800ドルを超えた辺りから、個人投資家が無我夢中でcallオプションを買い漁ります。引き受け手のMM(マーケットメイカー)は元々8000ドル付近にショートガンマがあるにもかかわらず、追加で個人投資家よりショートデートcallを立て続けにmineされる訳ですから、分刻みでショートガンマが蓄積します(MMは胴元なので売却したオプションを極力、取引コストの安い現物や先物でヘッジすることに努めます)。つまり、ショートガンマポジションを現物や先物買いでヘッジしようとする訳ですBTC価格が上がれば上がるほど、また、個人投資家がcallオプションを買えば買うほど、MMのデルタヘッジ(現物買い)がBTC価格を押し上げる負のスパイラルに突入します

結果としてBTC価格は暴騰。日本時間午前2時頃には8800ドル近辺まで上昇しました。カットオフ(昨日日本時間17時)時点のBTC価格が7500ドル前後でしたので、わずか9時間で「1300ドル」上昇した計算になります。この間、deribitでは記録的な出来高を達成。オプション需要が急激に高まる1日でした。

仮想通貨は「夢」と「悪夢」が隣り合わせなのが刺激的で良いですね。久しぶりに緊張で眠れない夜でした。尚、今回の動きを受けてリスクリバーサルはBTCコールオーバーに転換しております

本日の注目ポイント(10/26)

本日の注目ポイントは、破産者がどの程度出るのかといった点。破産者(オプションsellerで強制ロスカットに見舞われたプレイヤーの数)は本稿執筆時点で332名(史上2番目に大きい1日あたりの破産者数)。大相場の結果、市場が焼け野原状態となれば、ボラティリティは次第に低下する傾向にあります。今年の1/3の外国為替市場で発生したフラッシュクラッシュの直後がまさにそうでした。市場参加者の大半が退場したことで、市場から生気が失われるパターンです。この場合、オプションディーラーはスキューが立っているところから順番に潰していきます。今ならローデルタ物で高く値付けされている所を中心にボラティリティを売っていくイメージです

一方、破産者数がそこまで伸びなければ、ぎりぎり首の皮一枚繋がっているプレイヤーが多いことを表します。大きく損失を出した市場参加者はすぐにその損失を取り戻そうとしてポジションサイズを膨らませる傾向にありますので、市場のボラティリティが高まります。当方はどちらかというと、後者を想定しておりますので、本日はとりあえず、Buy(短期物オプションの購入)+Sell(長期物オプションの売却)をイコールアマウントで構築(つまりガンマ買い・ベガ売り)して様子見したいなと思っています。

それでは、本日も宜しくお願いします!

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本記事は一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、仮想通貨の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨するものではありません。本記事は、信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、その正確性、適時性、適切性又は完全性を表明又は保証するものではありません。投資の最終判断は、お客様ご自身の責任のもとで行われます様よろしくお願い申し上げます。
CoinCollege∛編集部

CoinCollege∛編集部。インターバンク市場の第一線で活躍したオプションディーラーやストラテジスト、証券化ストラクチャラーなど金融プロフェッショナルで構成。メンバー全員が金融機関に在籍。

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