皆さま、こんにちは。
CoinCollege∛編集部のsatogramです。
この記事では最近注目を集めているBakkt(バックト)について、各種手数料と、Bakktのメリットデメリットなどについて考察していきたいと思います。
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ビットコイン ETFより注目されている BAKKTについて、第3弾となる今回は、本記事執筆時点で公表されているBAKKTに関する各種手数料とBakktのメリット・デメリット並びにBakktのもたらすエコシステムについてまとめました。
※最新情報が異なる場合がございますのでご留意ください。
各種手数料
Bakktに係る公表されている各種手数料は以下の通りです。
2019年3月31日までは1及び2の手数料が免除されているようです。
1. 取引及びクリアリング手数料
Daily Futures | Monthly Futures | |
Screen Trades(一般取引) | $1.00/contract | $1.25/contract |
EFP & Block Trades(大口取引) | $1.60/contract | $1.85/contract |
2. デリバリ手数料
一律 $9.75/contract
3. 価格データフィード手数料
手数料の金額未定。
ICE Future US(「IFUS」)ユーザーでない場合、2020年6月30日以降に発生する予定。
4. FCMへの手数料
先物取次業者(FCM)への手数料は、取引参加者の信用力によって異なります(Brokerage fee) 。
想定されるBakktのメリット・デメリット
(メリット)
- 米商品先物取引委員会(CFTC)の監督下にあることで、既存金融取引と同様に、見せ玉などの不公正取引が排除され(厳格な罰金制度により)、価格の透明性が確保される。
- ICEの既存プラットフォームでBTC先物(1day&1mo)の取引ができ、機関投資家の流入が期待される。
- 機関投資家が大口でBTCを保有する場合に、Bakktにて保管・保証が可能で、プライベート鍵を個社で管理する手間が省ける。
- 大手取引所やマイナーが保有する大量のBTCをBakktに保管することも可能。
- FCMは金融機関等(クリアリングブローカー)であるため、Bakkt上で取引を行おうとする取引参加者は、口座開設にかかるKYC・AMLがマネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF)の要求する既存金融と同等の水準で管理される。
- 先物取引に現物決済が伴うため現物市場を実現。BTCの一物多価の解消に繋がる。
- レバレッジ取引および空売りが可能となった。
(デメリット)
- 急遽現物を引き出したい場合に、時間と枚数の上限制約があるため留意が必要。
- 既存金融同様KYCが厳しく口座開設のハードルが高い。精査に一定程度の期間を要する。また、英語ベースの書類のやりとりも必要となる。
Bakktがもたらすエコシステム
BakktがETFよりも注目される理由はこのエコシステムにあると考えています。
足下の暗号資産市場は、出来高の小ささが影響して、取引所ごとに暗号資産の価格が異なる『一物多価』の問題があります。機関投資家の参入でBakktのエコシステムが構築されれば一物多価の解消に繋がる可能性があります。
Bakktは、CBOE(※2019年6月にサービス提供終了)やCMEで取引されるビットコイン先物とは異なり、現物受渡しを伴うため、現物価格に直接影響を与える公算が大きく、機関投資家がうまく参入できるシステムが構築されることで価格の透明性が向上すると考えられるためです。
金融機関は非常に保守的なため、ローンチからしばらくは、Bakktの出来高は少ないものと想定されますが、徐々に暗号資産に対する規制整備など環境が整うことで、機関投資家が参入しやすいBakktのエコシステムを介して、暗号資産市場の健全化がより一層進むことが期待されます。
