強く成長するリブラと、フェイスブックペイを発表したフェイスブック
リブラプロジェクトの進捗状況
リブラ協会は2019年11月15日(ホワイトペーパーの公開から5ヶ月、正式メンバー署名から1ヶ月経過)に現況を「Five months and growing strong」と題したブログで報告し、厳しい環境下でも技術的な開発を力強く推進していることをアピールしました。
同報告によると、9月17日にテストネットを再稼働してから2ヶ月余りで、ウォレット・ブロックチェーンエクスプローラーなど、34のプロジェクトが同ブロックチェーン上に構築され、51,000件を超えるトランザクション実験が確認されたようです。
さらに、一部仕掛かり事案として以下が紹介されました。
・詳細な技術ロードマップの一般公開
・テストネットの継続的改善
・オンライン開発コミュニティとの連携強化
・一般向けリブラネットワークの操作解説記事の公開
・開発者向けのバグの発見と修正を促すプログラム「Bug Bountry」のローンチ
また、テストネットとは別に、ノード(バリデータ又は承認者)運営者にのみアクセスが許可される『Pre-Mainnet』(プレ・メインネット、メインネットの複製版)では、創設メンバーのうち、7社(Anchorage、BisonTrails、Calibra(フェイスブック)、Coinbase、lliad、Uber、Xapo)が既にノード運営を稼働出来ており、6社が準備中、残る8社は技術チーム不在のため、リブラ協会が戦略的サポートを担い、Libra Core機能群が完成する2020年までに創設メンバーがノード運営できるよう推進していくようです。
そして2020年のメインネット完成時には、オンプレミスとクラウド環境が混在するハイブリッド環境で100のノード運営を実現させる目標を掲げています。
今回の報告を通して、技術開発の進捗は確認できたものの、規制当局から許可が得られなければ依然ローンチができない状況に変わりはありません。
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Facebook Pay
政治家や規制当局らの批判の的になっている渦中のフェイスブックは、11月11日に米国で「Facebook Pay」を発表しました。
Apple Pay、Google Pay、Amazon Payに続く当然の流れでしたが、リブラから手を引いたのか?!と思わせるような発表に注目が集まりました。
しかしFacebook Payは、リブラネットワーク上に構築されるCalibra Walletとは異なるものであると、公式に説明がなされていました。
具体的にFacebook Payは国内の〇〇ペイと同様にチャージしてポイントに交換するもので、①支払い情報の入力手間が省け、②フェイスブックが提供する全サービスで利用でき(今後)、③支払履歴の表示、支払方法を一元管理、④リアルタイムのライブチャットでサポートが受けられる ことなどのメリットが挙げられています。
Facebook Payは、ゲームアプリ内での課金、イベントチケットの購入、Messengerでの個人間送金、及び、FacebookのMarketplaceでの購入に利用できるとのことで、まずは「Facebook」と「Messenger」、その後は「Instagram」や「WhatsApp」でも利用可能となっていくようです。

Facebook Payにより、フェイスブックグループはさらなる広告収入の増加が期待されると考えます。しかし、プライバシー問題などが払拭できていない中、Facebook Payの普及にはやや疑問符が残りそうです。