諮問委員会はICO(STO)の会計基準策定をASBJに提言

金融庁の企業会計審議会の役割を引き継ぐ、日本の会計基準を策定する企業会計基準委員会 ASBJ(Accounting Standards Board of Japan・企業会計基準員会)は2019年11月29日に、11月22日付で行われた基準諮問会議の議事録を公表しました。

諮問委員会はICO(STO)の会計基準策定をASBJに提言

議事録によると、金融庁より新規テーマとして提案された「金融商品取引法(金商法)上の『電子記録移転権利』又は資金決済法上の『暗号資産』に該当するICOトークンの発行・保有等に係る会計上の取扱い」について、ASBJの新規テーマとして検討するよう、諮問委員会から提言されていることが判明しました。

ICOトークンは、金融商品取引法上の「電子記録移転権利」又は資金決済法上の「暗号資産」として法整備が進められたため、これらの会計処理の拠り所となる会計基準の開発について企業会計基準委員会へ連携を求めた格好です。

ICOに関する会計処理は国際的にも確立されておりません。今後国内企業にICO取引が広がった場合、会計処理に”多様性”が生じる可能性があり(ICOの発行で得た対価を、金融商品の「発行」とするか、「収益」として認識するか、「負債」を計上するか「利益」とするか等で異なる処理をする可能性)、会計基準の開発は必須と言えます。

しかしASBJは、昨年2月の時点ではICOによる資金調達の実態を網羅的につかめていないとして、企業が自社で発行した暗号資産の会計ルールを当面策定しない方針を決めていました(日経新聞)。今回新規テーマとして扱うか否かは定かではありません。

もっとも、法改正に加え、2019年10月には業界団体「日本STO協会」の発足もありましたので、想定以上に高まる企業側のICOニーズが、会計基準の早期整備を後押するように思われます。

タイトルとURLをコピーしました