昨日のビットコイン相場(対ドル)はマーケット特有の「嵐の後の静けさ」が広がりました。ここ数日間のボラタイルな相場展開を受けて、MM(マーケットメイカー)も含めて、損失を被った市場参加者が急増したことが背景です。現在は「傷を癒すステージ」に突入しており、BTC相場は狭いレンジ内で「方向感に欠ける」値動きが続くと見られます。
日足チャートを確認すると、11/21に巨大ピンが潜む8000ドルを割り込んだ後、11/25には一時6526ドルまで急落しましたが、その後やや長めの下ヒゲを残す形で反発に転じました。トレンド系テクニカル指標では引き続き「売りシグナル」が点灯しておりますが、ボリンジャーバンド下限に沿って下落を続ける「バンドウォーク」が解消されている点には一定の留意が必要でしょう。

尚、「11/25の暴落→その後の急反発」の理由については、昨日の記事「ショートガンマで往復ビンタ・・・」をご参照下さい!
オプション市場のレビュー
BTC相場が落ち着きを取り戻したことを受けて、インプライドボラティリティは「小緩む」展開となりました(68%→66%)。但し1month 60%台半ばの水準は維持されており、一定の「底堅さ」(=ボラティリティ需要)も確認できます。
こうした動きの背景には、オプション勢による「大相場後の焼け野原感で数日間は値幅が抑制されるも、一巡後は再び動意付くだろう」との安易な相場観が透けて見えます。

事実、オプション市場は順カーブを形成しており、「ガンマ売り(目先は動かないはずなので29Novや06Dec売り)+ベガ高止まり(年末年始にかけて再び動きそうなので27Decや27Mar、26Junはポジションキープ或いは買い増し)」の状態が確認されます。

本日の注目ポイント
昨日よりTainoko@仮想通貨さんが、BTC情報アラートでフロントエンドオプションのスマイルカーブの配信を開始されてます(どうも有難うございます😄)
このスマイルカーブの形状を見て私共編集部が感じることは、「コールの売り」が依然として根強いなぁという点です。通常、スポットが下を試して失敗してショートカバーを引き起こした後の局面だと、「ローデルタプットの売り」→「ハイデルタコールの買い」の順番でオプション市場に需給変化が見られますが、今回は、スポットが上昇しても「プットの売り」も「コールの買い」も殆ど見られず、むしろ「コールの売り」圧力が一段と強まりました。
つまり、トップサイドはガンマロングの可能性が極めて高いと言えます。
事実、Deribitのbuy/sell動向を確認しても、コールの売りが圧倒的に多い状態です。

こうした動きの背景には、11/25日本時間午後の急反発(6526ドル→7300ドル)を受けて、7750ドルや8000ドル近辺のオプションLongerが自身が保有するcallオプションを慌てて売っている様子が伺えます(スポット下落でデルタが限りなく「ゼロ=無価値」に近づいたこれらのオプションが、奇跡的にスポットが戻ったことで「有価値」になった為、慌てて売却している状態)。或いは、マイニング勢によるカバードコールの再開の可能性も考えられます(⇦需給要因として影響が大きいのはこっち)。引き続き、スマイルカーブの変化に注意が必要です。
オプション市場には引き続き「焼け野原」感が漂っていますので、本日も出来高・動意共に欠ける展開が見込まれます
オプションLongerにとっては、じれったい相場(タイムディケイを回収する為、動いて欲しいのに動いてくれない相場)が続くと見られますので、ガンマの投げがそろそろ出てくる可能性もあり、注意が必要です(Deribitのオプションカットまで残り2日と10時間!)
IVで算出した予想レンジ
LXVX指数(66.22% @7100 USD)で計算した向こう24時間の予想レンジは、
対ドルが「6854ドル〜7346ドル」、
対円が「74.7万円〜80.0万円」です。
具体的な計算方法については下記の記事をご参照下さい!
本日のオプションカットオフ予定表
本日17:00はBTC/USDT(BinanceJEX)のオプションカットが予定されております。
(今週のオプション行使期日一覧表はこちら!)
それでは、本日も宜しくお願いします!!